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「す〜〜〜〜〜、はぁ〜〜〜〜〜〜〜。」 深呼吸して、気合入れて、今日こそはさっさっと起きてもらうで! まったく、何で朝からこんなに気合入れなあかんねん。 あたしと平次が工藤邸に引っ越してきてから、毎日やねん。 平次が東都大学に入学して、あたしは・・・まぁ色々あって平次と一緒にマンションで暮らしてたんやけど、それからも色々あって今は工藤くん家に蘭ちゃんとあたしら合わせて4人が共同生活してんねん。 1階に工藤くんと蘭ちゃん、2階に平次とあたし。 あっ!もちろん、みんな部屋は別々やで。 隣同士やけど・・・。 朝食はあたしと蘭ちゃんが毎日交代で作ってんねん、そやけど朝食出来てもあたしらが起こしに行かへん限り、あいつら絶対に起きて来いへんのや。 もちろん、目覚ましはちゃんとセットしとるよ! 起こしに行くと、いつもきっちり止めてあんねん。 一回、蘭ちゃんと相談してほっといたことあるんや。 そしたら、なんと二人揃って昼まで起きて来いへんやん! 昼くらいにのっそり起きて来てあたしらが怒ったら、”起こしに来んのが悪い”言うんやで。 もう、開いた口が塞がらんってやつやな。 結局また次の日からあたしと蘭ちゃんは、毎朝、悪戦苦闘しとるちゅうわけなんよ。 毎朝毎朝20分近くも! せっかく早よう起きとるのに、もったいないちゅうねん! 勢いよく、平次ん部屋のドア開けて、 「平次!!朝やで!!早よ〜起きてや!!」 大声で叫んぶんや。 迂闊に近寄ると、危険やから。 何が危険やって? そらぁ〜〜〜、あれやん、・・・・・・・・・引き摺り込まれんねん・・・・・・・の中に・・・・・。 「ちょ〜〜〜平次!!起きとるんやろ!!」 頭まで布団被っとるから顔が見えへんけど、絶対に起きてる! 「へ〜!い〜!じ〜!毎朝、毎朝、ええかげんにしいや!!」 まったく動かへん。 「今日は1限目からなんやろ!!さっさと起きへんと遅刻するやんか!!」 ・・・・やっぱ、叫ぶだけやとあかんねんな。 そ〜っとベットの足元に近づいて、一気に布団を引っ張ってやる! 「う~~〜〜〜うっ〜〜〜・・・・・・。」 ビクともせ〜へん・・・。 もう、起きてんのは確実やんか! 「目え覚めてるんは分かってるんやで!う”〜〜〜〜〜っ!」 あっあかん・・・動かへん・・・・。 今までの経験から、とにかくベットから一度引き摺り出さんことには起こしたことにならへんらしいんや。 う〜ん?何かないかんぁ・・・部屋ん中を・・・あっ! ええモンあるやん! そ〜っと、それを持って、 「起きろ!!」 パァ〜〜〜ン!! 竹刀のええ音が部屋中に響き渡ったんや。 「いった〜〜〜!!何さらすんじゃボケッ!!」 やっと平次が頭抱えて上半身を布団から起こした。 「あんたがいつまでもアホみたいに寝てるからやで!起きたんなら、早よう下りて来てや!」 ってドアに向かおうっとしたんやけど・・・・あっ! 手に持っとった竹刀の先をいきなり引っ張られてしもた。 「朝からヒトの頭殴りおってからに、お仕置きが必要やな!」 ってニヤニヤ顔の平次に捕まってしもた。 「やから〜〜〜〜、へいっ・・じ・・・うっ〜〜〜〜〜〜・・・・・・・・。」 あ〜〜〜〜も〜〜〜〜〜〜朝っぱらからするKISSちゃうやろ・・・・・。 「う〜〜〜〜〜う〜〜〜うっ・・・・・・。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・今日もいつもん時間決定や・・・。 結局いつもの時間がかかってしもた。 「はぁ〜〜〜〜。」 ため息吐きながら階段を下りると、ちょうど蘭ちゃんもため息吐いたとこやった。 「蘭ちゃん、今日もあかんかったわ。」 「私もよ、和葉ちゃん。」 「毎朝これやと・・・ほんま、かなわんわ。」 「ほんとにね・・・。」 蘭ちゃんもやれやれって顔や。 「なぁ、蘭ちゃん?あれ、やってみいへん?」 「あれって、あれ?」 「そう、あれ。」 あたしらの間で”あれ”って言うたら決まっとるんや。 「そうね・・・明日やってみよっか。」 「「今日こそは!」」 あたしも蘭ちゃんも気合入れて起こすべき部屋に向かう。 そ〜〜〜〜っとドア開けて、ベットに近づくんや。 「お・き・て。」 小声で囁いてみる。 そして、そ〜〜〜〜っと布団を捲ろうとしたらっ・・・・。 予想はしとったけど、物凄い勢いで布団中に引っ張られてしもた。 「ちょっちょ〜〜〜工藤くん!!まっ待って〜なっ!!」 まったく、いきなりKISSしようとするんはないんちゃう! 「えっ?!」 お〜〜〜〜反応さすがに早いやん。 がばっと飛び起きた。 「わっ!!かっ・・・・・和葉ちゃん?」 びっくりするんはええけ・・・・・ど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ?! 「 キャ――――――――――――――――ッ!!! 」 なっ何で・・・・はっ・・・・はだか・・・・。 『 キャ――――――――――――――――ッ!!! 』 今度は蘭ちゃんの悲鳴や・・・。 「らっ蘭っ!!!」 工藤くんは手近にあったズボンを慌てて穿いとる・・・・って・・・・・・。 「 きゃ〜〜〜〜///////!! くっ工藤くんっ//////////!!! 」 はっ裸のまま立たんといて〜〜〜〜〜! 『和葉―――――――――――!!!』 『 ちょっちょっと/////!!!はっはっ服部くんっ//////!』 にっ2階からも似たような声がしとる・・・。 「ら〜〜〜ん!!はっ―――と――――――り――――――――!!!」 工藤くんが物凄い勢いで部屋を飛び出していった。 『く〜〜〜ど〜〜〜〜!!!!和葉に何もしてへんやろなっ!!!!!』 平次の怒鳴り声と階段を駆け下りる派手な音が・・・・。 「おめぇこそっ!蘭に何かしやがったらただじゃおかね―――――――!!」 「それはこっちのセリフやでっ!!工藤――――――――――――ッ!!」 はぁはぁ・・・・・びっびっくりやわ・・・・・・。 そやけど、作戦は大成功や! ベットから出した最短時間やん! 何とか気持ちを落ち着けて男二人が騒いでる方へ行ってみると、蘭ちゃんも2階から下りて来るとこやった。 蘭ちゃんもまだ少し顔が赤いみたいや。 「もしかして、平次も・・・・・・やった?」 「え〜〜〜、新一も・・・・・・だったの?」 「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」」 「まったく、何考えてるんやろか。」 「本当に、何考えてるのかしら。」 二人で同時にため息吐いて、そして笑顔でVサイン! 「でも、やったやん!」 「そうよね!」 まだ、騒いでる男二人に笑顔で朝のごあいさつ。 「おはよう、平次!」 「おはよう、新一!」 あたしらの満面笑顔に二人の動きが止まった。 「ええ、目覚ましやったやろ。今日はもうベットから出てるんやから、さっさと着替えて来てや!」 「そうそう、早くしてよね!今日くらいは、朝食冷めちゃう前に来てよね!」 不服そうな平次と工藤くんの顔。 「なぁ工藤、他ん男起こしに行く女には。」 「ああ、もちろん、お仕置きが必要だよな!」 「「はぁ〜〜〜?」」 何言うてんの? さっきまで、喧嘩しとったんとちゃうの? それが、なんでいきなり同意見やねん? 「ちょっと、二人とも何言うとんの?って・・・・・・・平次!!・・・・・ちょ〜下ろしてっ!平次!!」 「もう、ベットから出てるんだから今日は〜〜〜〜って、新一っちょっと新一ってばっ!きゃっ!」 あたしは平次に蘭ちゃんは工藤くんに、あっさり肩に担がれてしも〜た。 しかも、さっさと部屋にも戻ろうっとしとるやん。 あたしも結構ジタバタしとるけど、蘭ちゃんも相当してるみたいなんやけど、二人ともお構いなしや。 「蘭ちゃ〜〜ん!」 「和葉ちゃ〜〜ん!」 お互いに必死に手を伸ばすんやけど・・・。 「和葉!!じっとしとらんと階段から落ちるで!」 「動くなよ、蘭!ドアにぶつかるぜ!」 「「うっ・・・。」」 まったく、何でこうなんねん! 最近・・・結構このパターン多いやん! って、朝はあかんやろっ!!朝はっ!! あ〜〜〜〜〜〜〜今日もいつもん時間決定や〜〜〜〜! 「「 明日こそはぜったい勝ってやる――――――――――――――!! 」」 |