■ 寝起きの笑顔 ■ ―HEIJI―。。。 |
高校卒業して、大学も卒業して、警察ん入って3年。 初めんころは警察ちゅう組織に慣れへんで、足掻いとったけど今ではそれも無い。 そやけど相変わらずに警察ちゅうとこは忙しゅうて、昼も夜もお構いなしに人を扱使う。 そんなん分かっとったはずなんやけどなぁ。 こうなることなん俺もお前も分かとったはずや。 俺んとこもお前んとこも、オヤジ警官やんけ。 それが何でこうなんねん。 和葉んベットの横に座り込んで、目の前の物体を見る。 布団の中で丸まっとるんやろ、しっぽん先すら見えへんで。 「はぁ・・」 俺があかんのか? そうなんか?そうやんな。 俺があかんのやな。 高校出る時に、やっと自分気持ち伝えて捕まえた。 そやけど、すぐに離れ離れや。 俺が東京でお前がこっちに残ったせいやけどな。 何で行き成り遠距離恋愛やねん。 って思うとったけど、お互いに時間見付けては会うとった。 まぁ、これはこれで楽しかったからええけどな。 お前もそうやったんやろ? 大学卒業して警察学校入って、大阪府警に決まってやっと戻って来れた。 これで前みたいにいつでも会える思うとったけど、世の中そんなに甘いもんやなかった。 警察ちゅうとこは事件、事件、事件、事件のオンパレードやで。 寝ても覚めても事件や。 大阪いったいどないなっとねん?いうぐらい暇が無い。 初めは家から府警までオヤジみたいに通うとったけど、それすら面倒なって府警本部ん近くにマンション買うた。 部屋決めたんも、必要なモン買うて住めるようにしたんも全部お前やんけ。 楽しそうにやとったやんか。 俺はこんままお前と住んでもええなぁって思うとったんやぞ。 まぁお前は寝屋川で就職してもうたから、おっちゃんの手前無理やちゅうのは分かっとったけどな。 そやけど、これがあかんかったんやな。 余計に会う時間がのうなってしもた。 無理してでも通うとったら、もうちょっとは会うてられたんや。 お前も初めんころは、時間作っては俺の飯やら何やら世話しに来てくれとったよなぁ。 ほとんど俺の居らんときにやけどな。 ほんまに俺は部屋に帰ってへんかったからなぁ。 約束も2回にいっぺんはな〜んぞあって、駄目にしてもうたしなぁ。 お前の電話にも出れへんことん方が多かったし、メールにも返事返さん方が多かった。 だんだん電話の数も減っていって、メールも用件だけになって来てたんも気付いてたんやで。 やっと部屋に帰ってもお前が居った気配が無い日は、落ち込んだりもしてたんやで。 それでもお前なら大丈夫やろ、て思うてたんや。 特にこの1・2ヶ月は大きなヤマ抱えとって、ろくに連絡も出来へんかったけど。 俺かてお前の顔ず〜と見れへんで、淋しかってんぞ。 それが何でこうなんねん? ホテルで俺の知らん男と二人で居るお前見付けて、俺がどんだけ驚いたと思うとんねん! 心臓壊れるかと思うたわ! 頭真っ白になってもうて、ハリコミ中なん忘れて怒鳴ってもうたやんけ! しかもお前逆切れかまして、「お見合い中なんやから、邪魔せんといて!」って何やねん! 何考えとんねん! お前の彼氏は俺やろが?! 何でお前が見合いなんする必要があんねん! お前が男ん腕引っ張って、さっさとどっか行ってしもた時には呼吸止まってもうたやんけ! 俺を殺す気ぃかお前は! ・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・。 「あ〜〜〜くそっ!」 悪かった。 お前んこと放とった俺が悪かった。 すまん。 ほんまにすまん。 そやから、もう2度とこんなんせいといてくれ。 いくら俺かて息出来へんかったら、死んでまうやんけ。 頼むから勘弁してくれや。 ほんま反省しとるから。 「これやろ?お前が欲しいんわ。」 お前が喜びそうなん選ぶん大変やったんやで。 お蔭でごっつう高こうついてしもた。 値段見んかった俺もあかんのやけど、給料の何ヶ月分やねんこれ? 3ヶ月は軽〜超えてるで。 「いらんとか言うなや。」 そんなん言われたら、ほんまに心肺停止やで俺。 彼の世に逝ってまうやんけ。 帰って来れへんかったら、どないすんねん。 もう骨なん拾わんでええから。 「早起きて笑顔で”うん”て言うてくれ。」 Good Morning !! |
「寝起きの笑顔」−KAZUHA− |