桜吹雪-sakurafubuki- 
世の中不公平や。

なんで、うちの前にこれが居るんよ。
髪も首もガクランも真っ黒うて、ドラマに出て来る黒子の犯人やんか。
まったく、目障りやわ。

和葉の幼馴染いうだけでも贅沢やのに、その上、こうやってうちと和葉の邪魔ばっかしよって。
いっぺん死ねボケ!
あんたのせいで前に居る可愛え〜和葉の後姿が、まったく見えへんやんか。
どっか行けアホ!

やっと3年になってクラス替えがあったんに、何でおんどれが居るんじゃボケ!!
な〜にが法学部は文系や、男なら理数系に行かんかいアホ!!

しかも、なんでうちと和葉の間に座っとんの!

神さんは、ほんま不公平や。
どんだけ、この焼き損じた黒焦げに肩入れすんねん。
・・・・・・・・・・。
まぁ、ええわ。
神さんが手伝うてくれへんのなら、自力でなんとかしたるわ。
この華月さまをなめるんやないで。

「おいっ!おいっ!和葉!」
「なに?今、授業中やで平次?」
「後ろの狂犬を何とかせい。」
「はぁ?」
「こう毎回毎回、ごっつう後頭部睨まれとったら俺禿げてまうやんけ。」
「何アホなこと言うとんの?」
「飼い主はお前やろが、ちゃんと躾けんかい。」

全部聞こえてるんやでボケッ!
視線はアホの後頭部を睨んだまま、手はせっせと動かして作業完了や。
先生は黒板に数式書くんで忙しいそうやし。
このボケが和葉から離れて、体起こした時が狙いやな。
後もう少し。
今や!

ぐさっ。

そんな音が聞こえてきたらええのに・・・。

「グァッ!!」

まぁ、これでもええか。
後頭部両手で抱えて、机につっぷして悶えとるし。

振り返るころには、ブツはとっくに回収や。
うちは素知らぬ顔で、勉強してます状態やで。

「何さらすんじゃボケッ!!」

「えっ?」
驚いてみせるんは当然やな。
「俺の頭に何か刺したやろがっ!!」
「えっ?えっ?うちは何もしてへんよ?」
今日は少ししおらしい子にしとこかな。
「どたま直撃なんお前にしか出来へんやろがっ!!」
「ほんまに何もしてへんて。」
ここで泣くんがええんやろうけど、それは無理やから俯いてみよ。

「なんだね。」

先生ナイスタイミングや。
「このボケが俺の頭に何ぞしよったんや!」
ほざいとれアホ。
この先生は学年主任の超が付くほどの堅物や。
しかもうちは気に入られとるけど、サボリ魔のあんたのことは良う思うてへんのやで。
「うち、ほんまに何もしてへんねん先生。」
縋る様な目で先生を見ると、ゆっくり頷いてくれた。
「服部、そんなにわしの授業はつまらんか?」

やった!うちの勝ちや!

それからアホが何ほざいても先生は聞き耳持たずで、結局ボケは列の1番前に強制移動や。
もちろん机ごとやで。

排除完了。

和葉は前から4番目でうちが5番目、服部平次1番前。
これで和葉は当分うちのもんや。
紙飛行機さまさまやな。
ノート5枚千切って作ったかいがあったちゅうもんやわ。

「よろしくな華月。」
「こっちこそ。」
ああ〜うちの和葉や〜。
これでやっと春が来たっちゅう感じがするわ。
春に燃えカスの後頭部ばっか見てるんは、暑苦しゅうてかなわんかったんよ、ほんま。

和葉の後ろ姿を嬉し気に見詰めてたら、あることに気ぃ付いた。
時々窓の外を見詰めてるんや。
それも、何とも言えへん顔してや。
和葉の視線を辿って行くと、そこにはもう散り始めた桜。
好きやもんなぁ桜。
そやけど和葉には、桜の季節あんましええ思い出無いんちゃうかなぁ。
中学のころから決まってこの季節になると、卒業する上級生から呼び出しくろうてたし。
去年は何や、どっかのドアホの初恋がどうのこうので結構落ち込んでしもてたし。
・・・・・・・・・・。
それもこれもぜ〜んぶあのドボケのせいや。
ほんま、何さしてもムカツク男やで。
あっ。
全然聞いてへんうちに授業終わってもうたわ。

「こ〜らぁ〜き〜さ〜ら〜ず〜〜!!」

うっさい男やなぁ、無視しとこ。
「なぁ和葉ぁ。花見せぇへん?」
「ええけど、大阪の桜はもう終わりやろ?」
「ちゃうちゃう、うちの実家。今が丁度満開らしいんや。明日は土曜やし、泊まりで行かへん?」
うち普段はこっちの祖父母ん家に居んねんけど、実家は京都の嵯峨野やねん。

「あほう!!受験生がな〜に呑気なことぬかしとんねん!!行かへん!行かへん!」

誰もあんたに聞いてへん。
「そんなん言うたかて、華月ん実家めっちゃ高級料亭やん。行き成りお邪魔したらあかんやろ?」
そうなんよ、うちが言うのもなんやけど、実家は京都でも一二を争う位の一見さんお断り高級料亭なんよ。
「かまへん。おかぁちゃんも和葉連れて来い言うて煩いくらいやし。常に何かの為に部屋は空けてあるんやし、な〜んも問題あらへんて。」
「そやけど・・」
「和葉まだ”華涼庵(かりょうあん)”自慢の二桜(ふたざくら)見たことないやろ。いっぺん見たいて言うてたやんか。」
”華涼庵”言うんが店の屋号や。
考え込んでる姿がまた可愛ええ。

「あかんで!!絶対にあかん!!なんで嵯峨野くんだりまで桜見に行かなあかんねん!!」

まだ居ったんかこの男。
そう思うてたら、探偵さんお呼び出しの着メロや。
どこの誰か知らんけど、褒めて遣わす。

「あかん言うたらあかんで!!ええか和葉!惑わされんなや!!」

ほよ行けアホ。
しかも惑わすって何やねんボケ。
さっさと退場せんかい!

「俺は許さへんぞ!!ええな和葉!!」

教室の入り口からま〜だ叫ぶか。
はぁ。やっと消えたわ。
「和葉んとこのおっちゃんにはうちのおかぁちゃんから電話さすし。寝るんは別棟のうちの部屋やし。なっ、ええやろ?」
「そやけど・・・平次があない言うてるし・・・」
「二桜はほんまに見応えあるんやで和葉。これを逃したら、また来年まで見れへんねんで?見て見たいやろ?」
「・・・・・・・見たい・・・かも・・」
「やろっ!やったら何も悩む必要無いやんか。なっ?」
「そう・・・やんな。どうせ平次は事件に行ってしもたら、いつ帰って来るか分からへんし。」
「やったら決まりや!早速、おかぁちゃんに言うとくわ。」
「うん。よろしくお願いします。て言うといて。」
そうと決まれば即実行。
母親の携帯にダイレクトに連絡。
丁度、手隙な時やったんやろ、すぐ繋がって予約OKや。
和葉が行く言うたら、はりきって準備する言うてたわ。
おかぁちゃんも和葉大好き女やからしゃ〜ない。
実際、兄ちゃんの嫁に欲しい言うたくらいやからなぁ。

それにしても、今日は連戦連勝やな。
めっちゃ気分ええわ!




って思うてたのに、何で性懲りも無くおのれがそこに居るんじゃボケ!!

昨日は準備もあるし一足先にこっちに帰って来たから、和葉とは京福電鉄の嵐山駅で待ち合わせやったんに。
和葉との待ち合わせはめっちゃ楽しみで、張り切って着物着て来たんに。

なんで、金魚の糞みたいに居んねん!

「かんにん華月。1人で行く言うたんやけど、付いて来てしもてん。」
そこは和葉が謝るとこや無いよ。
「この方向音痴を、1人でこんなド田舎まで来させられるかぁ。」
そこはあんたが威張るとこや無いやろがボケ!
「なんやの服部くん。嵯峨野の住民全部敵に回す気なん?」
お互いにガンの切り合いや。
「ちょ・・ちょっと平次、何いい加減なこと言うてんの。それに華月も、いちいち相手せんでええから。」
和葉の手前ここは我慢の子やな。
「ほな。行こ。」
そやけど和葉と腕組むんはうちやで。

普段は閉ざされとる門やけど、お客さまが来られる時だけ開放されるそこを通って玄関に向うてると、
「いつ来ても凄いなぁ・・」
って和葉が辺りを見回しとる。
こんな仕草も可愛ええ。
「驚くのはまだ早いで和葉。」
ほっとくと立ち止まってまいそうやな。
「ようお越しやしたなぁ、和葉ちゃん。平次くんも、遠いところわざわざおおきになぁ。」
おかぁちゃんが玄関の外で出迎えるなん、上得意やってせぇへんくせに。
しかも、うちオマケが来るなん言うてへんし。
「さぁさぁ遠慮せんと上がってや。」
和葉もオマケも何度か来てるはずやのに、慣れへんのんか遠慮がちやなぁ。
「和葉!こっちやで!」
廊下をずずずぃ〜と進んで一番奥の襖や。
ここはこの季節特別室やのに、おかぁちゃんが和葉に一番ええとこから二桜を見て欲しい言うてわざわざ空けたんやで。
まずは襖を開けて部屋に入る。
ほんでさらに進んで、
「和葉!これが華涼庵自慢の二桜やで!」
縁側へ出る障子をすぱーんと全開や。

「わぁ・・・・」

予想通りやわ。
和葉は目ぇも口もぽか〜んて開いて立ってるわ。

「こらぁ・・・ごっつう綺麗やなぁ・・・」

いつの間に和葉の横に。
しかも、和葉と同じ顔しよって。

「凄いやろ!ソメイヨシノとしだれ桜の競演や!」
1mしか離れてへんソメイヨシノとしだれ桜の木が、途中から1本の桜の木みたいになってんねん。
「白い花から濃い花に色が変わっていっとるみたいに見える・・・・・・ほんまに綺麗やわ・・・」
「そやな・・・・・・こんなん見たことないで・・・」
2人ともまるで夢でも見てるみたや。
あっ!
あかんやん!
2人の世界にしてしもたら、うちの出番が無いやんか。
「ほな、二桜見ながらお昼にしよ。」
ぼ〜と和葉に見惚れとったら、すでにお膳の用意は済んでしもてた。
しかも、きっちり3人分。
おかぁちゃん、ボケも来ること見越して用意してたんやな。
流石、服部のおばちゃんと伊達に友達してへんわ。
お膳の方も華涼庵自慢の桜御膳や。
こっちも何や品数多いし、これはきっと和葉スペシャルやな。

二桜堪能しながら美味しいお膳を頂いて、食後の茶も飲んだし。
これからが、今日の本番や。
「和葉も着物着てみぃへん?」
「そんなん言うたかて、あたし着物なん持って来てへんよ。」
「ノープロブレム!!」
うちは和葉の手ぇ引っ張って立ち上がらせると、そのまま部屋から連れ出した。
アホはぼけぇっと二桜に見惚れとるから、ほっとこ。
「ちょっと華月、どこ行くん?」
「ええから。ええから。」
和葉を連れて行くんは、中奥の座敷や。
そこは芸子さんや舞妓はんの控え室みたいなに使うてる場所やねん。
「菊華ねぇさん居てる?」
「華月ちゃん?どうぞ、お入りやす。」
襖を開けるとうちが贔屓にしてる芸子の菊華ねぇさんが、笑顔で向かい入れてくれた。
「この娘がうわさの和葉ちゃん?ほんに、可愛ええ娘さんどすなぁ。」
「そやろ!うちの自慢の和葉やねん!」
和葉が何か言う前にさっさと話し進めよ。
「ほな、菊華ねぇさん和葉の支度よろしゅう頼むな。うちはあっちで着替えてくるさかい。」
進め過ぎた・・。
言うてる途中で襖閉めてしもたわ。
まっ、ええか。
うちは仲居頭の本城さんに着せえてもらう予定やから急がんと。
あの人時間にはめっちゃ煩いんや。

で、着付け完了。
頭も化粧も完璧や。
我ながら惚れ惚れするほど、ええ女やんか。
「お〜ほほほ。」
「華月。アホな子しとらんと、早う拵えよし。平次くん、待ち草臥れて寝てはったやないの。」
あのボケ〜、何を呑気に昼寝なんぞしてんねん。
「和葉は?」
「もうとっくに拵え終えて、待ってはるえ。」
「可愛ええ?」
「そらぁもう、どえらいことになってはるわ〜。ああ〜、うちの嫁にほんに欲しいわ〜。和葉ちゃん来てくれへんやろか?」
くそっ。
うちが男やったらぜ〜たいにゲットしたんに。
「かぁづき。そないなとこでちょちょこばってへんと、はよ行きなはれ。」
はいはい。

「和葉ぁ〜!」
心の準備もせんと勢いよ〜襖開けてしもたわ。
「・・・・・・・・」
ご・・・・ご・・・・・ごっつ〜めちゃめちゃ可愛ええ・・・・・・。
「華月?」
「華月ちゃんの言いはった通りにあんじょう出来てるやろか?」
「パーフェクトやわ!流石は菊華ねぇさんや!!」
「そらぁ、よろしゅうおした。そやけど、和葉ちゃん元がええさかい、うちは特になんもしてまへんえ。」
ああ〜、あん時の和葉や。
今の方が数倍。いや。何万倍も可愛ええけど。
「ほんまにおおきにな菊華ねぇさん。」
座ってる和葉にそっと手ぇ出すと、和葉がそっと手ぇ載せてくれる。
「行こ、和葉。」
「きっと平次待ち草臥れて寝てしもてるわ。」
大正解や。

案の定、部屋に戻ってみると座布団枕にして横向いて寝てやがる。
わざわざ起こしてまで、この激可愛ええ和葉を見せてやる必要無し。
「昨日事件やったんやろ。疲れてるんやったら、そっとしとこ。」
「そやね。」
あかんよ、和葉。
そんな優しい笑顔、そのアホにはもったいないで。
「ところで華月。何の為に、こんな上等な振袖着せたん?」
待ってました。その質問。
「覚えてへんかなぁ。うちと和葉が始めて会うた日のこと。」
「初めて会うた日ぃて、小学校のころやったっけ?」
「そやそや。ほら、和葉がそんなツインテールで今日と同じような桜の振袖着てた日や。」
顎に手ぇ当てて、思い出してる姿がこれまた最高や。
「あっ!あの山能寺へ平次探しに行った日やったもんね。」
「あん時、桜の下で一緒に鞠ついて遊んだやん。」
「そうやったなぁ。なんや、懐かしいわぁ。」
って言いながら少し笑顔が曇ってしもたわ。
そう言えば、この日やったんやったわ。
この寝こけとるボケが一目惚れしたん。
「手毬唄も華月が教えてくれたんやったよね。」
「そうやで!」

「犯人はおんどれやったんかい!」

「平次!起きてたん?」
ちっ。
起きてしもたわ。
「犯人んて何なんよ。人を犯罪者呼ばわりせんといてくれる。」
ってこらぁ!!
人の話を聞け!!
な〜にアホ面さらして和葉に見惚れてんねん!!
「あっ、これな。菊華さん言う芸子さんが着せてくれたんよ。それにな。髪もセットしてくれて、ちょっとやけどお化粧も・・・・・・って平次?」
瞬きもせんと目ぇ見開いて、口も開けて、起き上がる途中の体制で電池でも切れたんやろか?
ピクリともせぇへんわ。
「平次?ちょっと平次?」
和葉が目の前で手ぇ振ってもあかんて、どういうこと?
いくらこの姿の和葉が可愛ええから言うても、このボケがこんなんなる?
気になるんやけど、後にしよ。
「和葉!久しぶりに鞠つかへん?」
「ええけど・・・・平次が・・」
壊れたモンは、ほっとこ。
「寝惚けてるだけやて。少しそっとしといたらええんちゃう?」
そんでも戸惑っとる和葉引っ張って、前もってここに用意しといた草履を履かすと。
さらに、これも用意しといた赤い鞠と青い鞠。
「和葉はこっち。あん時の再現したいから赤い鞠な。」
そうそう、これやこれ。
「手鞠唄唄うて和葉。」
和葉はゆっくりと鞠つきながら、唄うてくれたわ。

「ま〜るた〜けえ〜びすにお〜しおいけ よ〜めさんろっか〜くた〜こに〜しき〜」

「あほ!よめさんやのうてあねさんや。」

ありゃ。
復活しよったわ。
そやけど和葉、よめさんて・・・・もしかして、うち、間違えて教えてしもた?
う〜ん?覚えてへんわ。

「そやけど・・・ええわ。そんままもっかい初めっから唄うてみ。」

なんやの、偉そうに。
やけど桜が舞う中で、和葉が手鞠唄唄いながら鞠ついてる姿が可愛ええから許したるわ。
ああ〜これが見たかったんよ。
ちらっとアホを見ると・・・・・・なんつう顔してんねん。
なんとも言えへん、ごっつう優しい顔して和葉見てんのや。

・・・・・・・・・ちょいまち・・・。

鞠、振袖、小学生のころ。
山能寺、桜、探しに行く。
手鞠唄のよめさんとあねさん。
ほんで、犯人はうち。

あっ!!

「服部くんの初恋相手は和葉や!!」

しもた・・・。
ここ、声出すとこやなかったわ・・・。
せっかくの雰囲気台無しやん。
和葉びっくりして鞠転がしてしもたし、唄も止めてしもた。

「あっ・・・アホかぁボケっ!何訳の分からんボケかましてんねん!」

そんなあっかい顔して言うても説得力ゼロやで。
「なぁ〜んや、違うんや。ふ〜ん。そうなんやぁ〜。へ〜〜〜〜〜。」
和葉は転がった鞠探しに行こうとしとる。
「うちの初恋は和葉やで。」
うちも和葉と一緒に鞠探そ。
「やから、和葉はうちが貰うな。」
そう言い渡して、二桜の奥に行こうとしたら、急に風が吹いて桜ん花びらが一斉に舞うた。

「あかん!!」

風が過ぎ去ってからやっと目ぇ開けたら、違う言うてた本人がしっかりと和葉抱き締めとったわ。
さっきの「あかん!!」は何に掛かるん?
うちが和葉貰うこと?
それとも・・・。

・・・・・・・・・・。

まぁ・・・ええか・・。

ボケの腕ん中から見える和葉ん顔が綺麗に染まって嬉そうやし。
良かったなぁ、和葉。
服部くんの初恋相手は間違い無くあんたやで。

よう見ると、服部くんの色黒に和葉の色白は、桜の黒い幹に白い花が咲いてるようや。

あんたらも、二桜やったんやな。
2人で1本の桜ん木や。

・・・・・・・・・・・。

ああ〜〜!!
そやけど、悔しい〜〜〜〜!!
なんかムカついてきたわ!!
今日はうちと和葉の親愛を深める為に、色々用意したんに!!
なんで、あんたがええ〜とこ持ってくんよ!!

「和葉をかえせ〜〜〜〜!!」

ほんま神さんは不公平や!!
がんばったんやから、うちにも褒美寄こせ!!

「和葉はうちのや〜〜〜〜〜!!」

大声で叫んだら、桜吹雪が2人の姿を隠してしもた。



世の中ほんまにほんまに不公平やっ!!



あっ!
もしかして、ボケもうちに泊まる気なん?
あか〜ん!!
それだけは、絶対にあんで!!
うちと和葉のラブラブ添い寝タ〜イムだけは、何がなんでも死守したるから!!



誰かぁ〜探偵いらんかえ〜〜〜!!









ちゃんちゃん。






桜夜行−sakurayakou−
はい。「桜吹雪−sakurafubuki−」でした。
この話は以前「桜祭」さまに投稿したモノですが、自サイトにUPするのをすっかり忘れていました。
クリスマスにこんな春真っ盛りの話ですみません。
どうにもこうにも新作を書く時間がなかったものでして・・・はは・・・
桜は寒い冬が無いと綺麗に咲かないと言われてますが、来年はどうなんでしょうね?
読んで下さってありがとうございました。
それでは「桜夜行−sakurayakou−」へどうぞ!
by phantom
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