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■ 只今留守にしております ■ by micky 最近、不審者が探偵事務所の辺りに出没するという噂を和葉が聞いてきた。 「朝、ゴミ出しの時に、近所のおばちゃん達が言うてたもん。この辺りで不審者が、最近よう出るんやて」 「不審者?」 デスクの上のPC画面から視線を外し、書類のコピーしている和葉の方をみた。 「噂やけどね…なんか刑事みたいに、事務所の事を聞いて回ってるって」 「事務所ってここのか?」 「うん。なんか怪しいやろ?」 「…せやなぁ、この探偵事務所もTVによう出てるし、話のネタに見に来ただけちゃうか」 「ん〜…そんならええけど」 「…なにをそんなにビビってんねん。誰もお前なんか襲わへんから大丈夫や」 和葉は左目をピクリ動かすと、ゆっくりとオレを方へと近づいてきた。 そして目の前で、クルッと後ろを振り返り、長い髪をかきあげた。 「誰も襲わへん…ねぇ。ほら、ここにキスマーク付けたの誰やった?」 「…俺は不審者ちゃうわ」 「同じやろ?か弱い乙女を襲うのは一緒やん」 「誰が乙女?どこにおるんや?…はい、この話は終りやお・わ・り。ちゃっちゃと仕事せい」 和葉を 手で軽くあしらったその時、事務所のインターホンが鳴った。 「誰やろ?」 「不審者ちゃうか?」 オレの言葉に、怯えたような顔になったを和葉を見逃さなかった。 ニヤリと笑いかけると、その顔色はますます蒼くなっていく。 「平次が出てよ」 「なんでやねん」 「平次が出てってば!」 「オマエ方が近いやんけ」 「強いんやから、ここはバシっと!」 「強いも弱いも関係ない」 和葉はしぶしぶ覚悟を決めたようで、足をゆっくり進め始めた。 「でもまぁ…不審者やったらな」 「?」 オレの声に和葉が振り返る。 「ご近所挨拶も兼ねて、オレがササッと捕まえたるわ」 「じゃあ、平次が出て…」 「そやから…今は出んでもええやろ。オレが本気になったら誰も逃げられへんさかいな。試してみるか?」 「えっ、なに?ちょ、ちょっと平次!」 背後で何度も鳴るベルを無視して、和葉はオレの腕の中で暴れていた。 (終) |
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「「ん?和葉と平次君は留守かいな。でも居る気配はするんやけどなぁ……出直してくるか」と 遠山父が言ったとか、言わないとか。」 by micky |
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