「 色 」  第 二十五 話
篭にオトコを引き入れ、咥え込んどった和葉。
オレを裏切っておきながら、罪悪感の欠片もなく『人形で遊んどった』なんフザけた言い訳を抜かして、挙句の果てには谷川以外の別のオトコの存在まで吐いた。

「まだまだやで、和葉」

気ぃ失った和葉を見下ろす。
和葉がこの程度のヌルい刺激でイケるハズもないから、大方酸欠でも起こしたんやろ。
胸に貼り付けとったモンと中に突っ込んどったモンを無造作に引き抜くと、両足の拘束だけ解いて担ぎ上げた。
向かった先は風呂場。
床に座らせて右手の拘束だけ解くと、そのまま両腕を頭の上に上げさせて目ぇ見えへん和葉のために取り付けた手すりに繋ぎなおした。
和葉が立っとる時に掴みやすい高さになっとる手すりは、尻をつけて座らせると両腕を上げさせて丁度手首くらいの高さになるから都合がええ。
コートのポケットに突っ込んできたディルドを股の間に固定してやってから、シャワーを掴んだ。

「きっちり吐くまで、寝かせへんで?」

シャワーヘッドを和葉に向けて、勢い良く冷水を浴びせる。
今は和葉に冷たい水の痛みの快楽なん与えたないが、手っ取り早く叩き起こすには有効や。

「……ふっ…けほっこほっ……あっ…」

水を吸い込んだんか、和葉が何度も咳を繰り返しながらゆらりと顔を上げた。

「こほっ…こほっ……あ…んん…」

意識が戻ったばかりやのにもう快楽を追いかけ始めた和葉から水の冷たさを奪うために、今度は人肌くらいの温い湯を弱く掛けてやる。

「へいじぃ……もっと……」

和葉が、人工物とは思えへんとろりとした目ぇを向けてくる。
今朝までやったらねだられるままにヤったる所やけど、今は怒りのせいかオレのモノはぴくりとも反応せえへん。

「あんな玩具で気ぃ失うほどイくなん、珍しいやんけ。谷川の味でも思い出しとったんか?よっぽど美味かったんやな」
「ちゃう!アタシ…」
「そんなに良かったんなら、もっと味わえや」
「へいっ…んんっ……」

和葉がイっとらん事なんわかっとったがあえてそう指摘してやると、谷川の血を吸い込んだハンドタオルを和葉の口に突っ込んで、腰を支えてディルドの上に導いてやる。
節操もなく勝手にオトコを咥え込んどった淫乱な口に作り物の男根を与えてやると、美味そうに根元まで呑み込んだ。

「せっかくオマエのために持って帰った土産やし、遠慮せんとたっぷり味わえや。他のオトコの事は、そのあとでゆっくり訊いたる」
「ふんっ……んんんっ……」
「中に挿れとるだけでオマエが満足するハズないやんなぁ?谷川とヤっとったように腰振ってみ?オレが居らん間にどんな風に愉しんでどんな風にヨガっとったんか、ココでじっくり見といたるから」
「んんんっんんっ……」

ぼろぼろと大粒の涙を零しながら、和葉が激しく首を振る。

「ああ、他にもオトコが居ったんやったな。もしかして3人で愉しんどったから、後ろが淋しいんか?これから開発したろ思とったんに、オマエはもう後ろの味も覚えとったんやな。そら、オレやと物足りひんのも当然やわ」
「んんんっ!!んんんっ!!」
「遠慮せんでええて。締りのええ膣やて谷川も絶賛しとったし、取り合えず前でイってみ?」
「んっ!んんっ!」

動こうとしない和葉の両腕を掴んでカラダを揺らしてやる。
前後左右に不規則に揺らしてやりながら時々軽く引っ張り上げては落としてやってると、和葉は自分からもぞもぞと腰を動かし始めた。

「調子が出て来たやんか」
「んんっ!んっんっ!!」

カラダに快楽を叩き込まれとる和葉が、ディルドに夢中になるんはすぐや。
さっきイけへんかった分、溺れるんも早い。

「気持ち良さそうやな、和葉。玩具でそんだけ遊べるんやったら、もうオレは必要ないやんな?」
「んんんっ!!」
「誰かもわからんオトコ咥え込んだ口には、もうオレのモンはくれてやれんわ。その証拠に、こんだけオマエが乱れとるんに、オレのモンは勃ちもせえへん」
「んんんんっ!!」
「まあ、オマエにとってオトコは人形なんやし、オレのモンも今オマエが跨っとる玩具と同じやったて事なんやろ?」

快感を追って腰を振る和葉を見下ろしながら冷たく言い放ってやると、涙で頬を濡らしながらカラダごと激しく首を振った。

「こうしとっても時間の無駄や。本人がヨガっとったらお仕置きにもならへんしな」

和葉の口からハンドタオルを引き抜いて、床に放り投げる。

「けほっ……っあ…あはっ…」
「何ぞ言いたい事でもあるんか?」
「へいじ!平次!!…んんっ……ごめんなさ…っふ……もう、お人形なんいらへ……あんんっ!」
「そんなヨガり声で言われても信用出来ひんわ」
「ああっ…あっ……へい…んんっ…お願い…っふ……平次を頂戴!」
「勃たへんモンはやれんな」
「ごめ…ごめんなさい!んんっ!…へいじ…っ……」
「自分でイケるやろ?さっさとイケや」
「あっあっ……へいじっ平次っ!!…あああっ!…ごめ…なさっんっ……」

謝罪の言葉を口にしながらも快楽を追ってもどかしそうに腰をくねらせる和葉の両腕を掴んで、今度は大きく引き上げてから落としてやる。
溢れ出した蜜でじゅぶじゅぶと卑猥な音を立てながら、和葉の奥深くまでディルドが勢い良く呑み込まれた。

「ひゃああっ!ああああっ!!」

2度3度と繰り返してやると、和葉は痙攣するようにカラダを震わせて達した。

「あっ……はっ……はぁっ……」

がっくりと俯いて荒い息をつく和葉の細い顎に指を当てて、顔を上げさせる。

「谷川以外に何人咥え込んだ?」
「はっ…1人……だけ……っ…」
「誰や?」
「平次…の……友達の……横山て人……」
「他には居らへんやろな?」
「居らへん……」
「わかった」

和葉の顎を離して、繋いどった両手を解放してやる。
まだ蜜を流し続ける貪欲な口にディルドを咥え込んだまま、和葉は両手を前について自分のカラダを支えた。

「まだまだ足らへんのやろ?オレは書斎に居るから、そこで存分に遊んどればええわ」
「へいじ……んっ…」

和葉がのろのろと腰を上げてディルドを引き抜くと、名残惜しげにぱたぱたと蜜が滴った。

「オマエに勃たなくなるとは思わへんかったけどな」
「へいじぃ……待って……アタシ…ごめんなさい…アタシが…アタシにさせて……」
「……」
「頑張るから……言われた通りに何でもやるから……平次ぃ……」

ぐすぐすと泣く和葉を無視して脱衣所に出て、シャワーで濡れたコートや服を脱衣籠に放り込む。

「そのまま出て来るんやないで?部屋が濡れる」

オレの後を追おうとする和葉にそう言い捨てて、足早に寝室の奥のクローゼットに向かって適当に着替えを引っ掴むと、書斎に鍵をかけて閉じ篭った。





自分を裏切っておきながら罪悪感の欠片もない和葉に、言ってもわからないのならカラダに教え込むしかないと、
お仕置きは続行です。
 
「 ……オレよりオヤツが優先かい。そんなヤツには、ちゅーくらいでこの『きなこと胡麻とつぶ餡の3色おはぎ』はやれんな 」

by 月姫
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