「 色喰夜会 」 第 二十四 話 | |
「きゃ…」 アタシは訳も分からず、ベットの上に放り出された。 余りに突然のことで、どうしてこんなことをされるのか分からない。 「へぇ…じ…」 平次が居るであろう方へ恐々と手を伸ばしかけて、あるコトに気が付いた。 血の香りがスル… 微かやけど、確かに平次の方から血の甘い香りが漂って来る。 「へぇじ…怪我…したん?」 平次のことが心配で起き上がろうとしたアタシに、 「土産や」 言うて平次がアタシの膝の上に何かを投げて寄こした。 軽い布みたいなモノ。 血の匂い… 両手で掴むとソレは少し濡れていて、血の濃い匂いをさせている。 「谷川のや」 「え?」 平次が何を言っているのか分からず、声がする方を不思議そうに見上げた。 「俺が殺した」 「平次?」 益々意味が分からない… 「お前が咥え込んだオトコの形見や。どや、最高の土産やろが」 そう言うと平次はアタシを突き倒し、ワンピースを無理矢理引き裂いた。 体から乱暴に剥ぎ取られたワンピースは、更に耳障りな音を立てて引き裂かれている。 「なんや。喜ばんのか?」 「へぇ…キャ…」 左腕を後ろに捩じ上げられ、ベットに押さえ付けられた。 「もっと嬉しそうにしたらどうや?」 右腕も捕まれると両腕を布で縛られ、再び仰向けにされる。 「へぇじ!へぇじ!」 アタシの声など聞こえないみたいに今度は足を広げられ、左右の足首にそれぞれ巻かれた布はアタシがどんなにもがいても閉じることを許してはくれない。 「へぇじ!へぇじぃ、何で怒ってんの?アタシええ子にしとったよ!」 「……ほぉ…ええ子になぁ…」 「……」 平次の声は呟くみたいに小さいもんやったけど、その響きは初めて聞く程冷たい響きやった。 それから平次はアタシの側を離れると、しばらく帰っては来なかった。 アタシは何か平次を怒らせるようなコトをしたんやろか… どんなに考えても分からない。 アタシは何も悪いコトをしていない。 平次をこんなに怒らせるようなコト、何もしてへん。 「へぇじぃ!へぇじぃぃ!」 「煩い。そんなに吼えんでも聞こえとるわ」 「へぇじ!アタシほんまにええ子にしとったよ!平次が言うた通り篭に居ったよ!」 戻って来てくれたのに、アタシの側には来てくれない。 「篭ん中でええ子にして遊んでたよ」 「ココにオトコ咥え込んでか?」 「あ…」 秘所に何か硬いモノがそっと当てられた。 しかもゆっくりゆっくりまるで撫でるように動かされ、もどかしくて溜まらない。 「お前のココは誰のモンや?」 「ぁぁ…」 もっと強い刺激が欲しくて腰を動かすと、すぐにソレは離れていった。 「誰のモンやて聞いてる」 「……へぇじのモン」 「やったらココは誰のモンや?」 今度はソレで胸の膨らみを撫でられる。 「へぇじのモン…」 「……口で言うんは簡単やなぁ和葉」 「ア…アタシ……ええ子…ぁ」 ソレは小さな振動を始め体の上をゆっくり伝いながら、蕾に下りていった。 「あん…ぁぁ…」 何度か蕾を撫でられてから再び秘所に辿り着いたソレは、ほとんど刺激をくれずに緩やかに中に入ってきた。 「俺のモンやて言いながら、ココに谷川のモン咥え込んどったんやろうが」 「ぁぁぁぁ…」 「何か言えや」 「ぁぁ…あ…遊ん…でた…ぁ…だけ…ぁぁ……やもん…」 「ほぉ…遊んどったんか…」 「そ…はぁ…お人形さんと……ん…遊ん……ぁぁ」 奥まで入れられても緩い振動しかくれないソレは、アタシを煽るだけ。 「へぇじ…もっと…」 「俺のやのうのてええんやろ?やったら玩具でええやろが」 「やっ…もっと…もっと…」 「そやったらコレもやるわ」 平次はそう言って今度は胸に何かを貼り付け、 「谷川が揉みがいのある張りのええ胸やて褒めてたで」 とアタシの耳元で囁いた。 「あ、あ、あ、ぁぁぁ…」 乳首の下に貼り付けられたモノは、中に入れられた玩具と違う振動をさせ始めた。 気持ちはいいけどソレダケ… 「あ…はぁ…ぁ…ぁ…へぇじぃ…へぇじぃ…」 どんなに呼んでも平次はアタシに触れてくれない。 「誰んでもケツ振るヤツにはお仕置きが必要や。それとも何か?谷川はオレより良かったんか?どうやねん和葉?」 「お人形…遊び…ぁぁ…篭の…中…ぁぁ…やったら…んん……ああぁぁ」 玩具の振動が変則的に変わり始めた。 「言うてみ。どんな言い訳するんか聞いたるわ」 平次は声は遠ざかり、微かに壁に凭れたような気配がした。 「へぇじ!へぇじぃ!」 「ちゃっちゃっと言わんと、いつまでもこのままやで」 「ぁ、ぁ、ぁあ……篭の中やたら……ぁ…ぁぁ…アタシの好きに…あ…遊んで…ええて……ああ…」 「確かに言うたな」 「や…あん…そやから……んん……お人形で…遊んでた…」 「谷川が人形か?」 「オトコは……ぁ…アタシの……お人形やもん…ぁあ」 イキタイノニイケナイ… 「へぇじ…もっと…もっと頂戴…もっと…」 「そこに在る谷川の血でも嗅いで、アイツにイカせてもらえや」 「いや…へぇじぃが…ええ…っ」 「泣いてもあかん」 「ひっ…ぁぁ…へぇじぃ…へぇじぃ…」 もどかしくて、苦しくて、体を揺するけど腕も足も縛れとってどうすることも出来無い。 「こんなんいやや…」 「アイツにもそうやって媚びたんか?」 首を痛いくらいに振っても、平次は何の反応も表してはくれない。 クルシイ… ハヤクイカセテ… 「あ!ああ!っあ!」 藻掻くけば藻掻くほど、体は昂ぶるばかりで一向にイクことが出来無い。 「へ…平次があかんて言う…なら…ぁぁ……アノお人形…さんは…ん……もう…いらへん…はぁはぁぁぁ…」 「……」 「お…おに……はぁあ……さん……ほか…にも……イテル……から……ぁあぁぁ」 「なん…や…と…」 クルシイ… クルシイ… アタマガヘンニナル… 「誰や!!答え!和葉!」 「へぇ…じ………の…」 苦しくて息が出来なくなったアタシは、頭の中が真っ白になって意識が途切れた。 |