「 色喰夜会 」 第 三十 話 | |
平次はタオルでアタシを包むと、濡れた髪も乾かさずにベットの上に運ぶ。 「ほんならオレもイカせてもらうで」 そう言うとアタシの中に入って来て、激しく突き上げ始めた。 「あ…あ…ああ…」 両肩を押さえ付けられ下から平次に勢いよく突き上げられるから、逃げ場が無くて背中を軋むくらいに反らせるより他にない。 「もっと締め付けんかい」 命令通りに秘所に力を入れようとしたけど、平次の動きが激し過ぎて思うようにいかない。 「あ…あん………へ…じぃ…ああぁぁ」 「おい!お前がイクんやないで」 「そ…そん…ああ…あ…ぁぁ…」 平次はさっきと同じでまたアタシの中から逃げて行ってしまった。 「言うことが聞けへんのやったら」 「イヤヤ!」 アタシから離れていこうとする平次の体に、必死でしがみ付いて懇願する。 「何でもするから。平次の言う通りにするから」 これ以上平次に嫌われたない… 「やったら中に入れんとオレをイカせてみぃ」 平次はアタシをしがみ付かせたままベットに仰向けで横になった。 アタシは考えるまでもなく、平次の体の上を舌と指を這わせながら下りて行く。 平次の体はどこもかしこも甘い。 お人形なんかとは比べ物に成らないくらいに、気持ち良くて蕩けるような味がする。 それをゆっくり舌で堪能しながら左手で体を弄り、右手はアタシの下でそそり立っているモノを握り締めた。 強弱をつけて握りながら舌が指先に辿り着くと、アタシの顔を平次の足の間に埋くめる。 左て平次の右の太腿を少し持ち上げる仕草をすると、平次が自分から両足の膝の曲げてくれた。 「ん…」 やから右手で平次のモノを擦り上げ、左手で袋をそっと持ち上げると舌で丹念に舐めていく。 「く…歯ぁ立てるんやないで」 平次の声が波打ってる。 少しは感じでくれてるんや… 袋全体を舐め終わると、今度は足の付け根を舐める。 舌と唇を使って平次の味を逃がさないように、夢中で味わっていった。 すると平次のモノが更に誇張してきたから、頬に押し当てて手の平と頬で刷り上げる。 「っ…」 指の間に髪を絡ませ少し力を入れて頬に擦り付けると、平次は苦しげな声を漏らした。 やから今度は両手の指に髪を絡ませしっかりと平次のモノを包み込み、力を入れて刷り上げる。 チロチロと先っぽを舐めていると、少しずつ出て来る蜜が多くなってきた。 「気持ち……ええ?」 「まぁまぁ…やな……っく…」 その言葉を聞いてアタシは一気に平次のモノを口に含んだ。 「ん…んん…んん」 唇に力を入れ、舌を左右に動かしながら頭を上下に揺する。 入りきらないけど喉に当たるくらいまで咥えこみ、左で平次のモノを握り右手で袋を掴み揉み上げた。 「うっ…イクで…っく……全部…飲み干せ…や」 何度も繰り返していると、平次はやっとアタシに蜜を与えてくれた。 言われるまでもなくアタシは平次が与えてくえるモノを、一滴も残さずに飲み干したい。 手に付いたモノも、髪に付いたモノもすべて、もちろん平次のモノは全体を袋も足の付け根も丹念に舐め上げた。 平次の蜜はずべてアタシのもの… 「零してないやろな?」 「…うん」 「確かめたるから来い」 アタシは四つん這いになって、平次の体の上を声がする処まで上がって行った。 「キスせぇ」 肘を曲げて顔を近づけると、 「どこにしとんねん。ったく、キス一つ満足に出来んのか」 言われて後頭部を捕まえられる。 「体くっ付けるんやないで」 唇が触れる直前にそう言われて、アタシは力が抜けそうになっていた腕と足に意識を戻した。 「ん…んんんん」 抑え付けられて隙間なく繋がったアタシの口に、平次の舌が入り込んで嘗め回す。 アタシの舌を舐め、歯茎をなぞり、喉に届くくらいまで入り込んで来た舌が苦しくて涙が零れた。 それなのに平次の右手は更に胸を鷲掴みにして、指の間で乳首を締め付けてくる。 「んんんんんんんん…」 体が反射的に反ろうとしても、頭を抑え付けられてるからどうにもならない。 「うっ…んんん」 しかもその手は更に下に下りて行って、アタシの蕾を弄り秘所の周りを撫で始めた。 口の中を乱暴に嘗め回されながら、秘所の入り口を撫でていた指を中に入れられる。 平次の体を跨いでいる格好のアタシは足を閉じることも出来ず、体を反らすことも許されなくて腰を振るのがせいいっぱい。 けど、その反動を利用されて入れられた指も蕾を弄る指も強い刺激をアタシを与えてくる。 「んんんんんんんんんんん…」 耐え切れなくて、アタシはあっさりとイカされてしまった。 「はぁ…はぁ…ぁああぁぁ…」 やっと口を解放してもらえたアタシは、平次の上にぐったり凭れ掛かり空気を求めるしか出来ない。 「満足したか?」 優しく聞いてくれるけど、息もまともに出来無い状態のアタシには声すら出せない。 「まぁ、まだ足りへんでも今日はここまでや」 「……」 平次がそっと抱き締めてくれるから、その首に顔を埋める。 「明日朝一からリフォームの業者入れるからな、オレらはその間近場のコテージへ移るで」 返事が返せないから、頷いて答える。 アタシは平次が一緒なら何所でもいい… 「ほな、今日はもうそのまま寝てええぞ」 平次の温かい体温と髪を撫でられる気持ち良さに、アタシの意識は自然と薄れていった。 次の日、平次はいつもみたいにアタシを起こしてくれた。 「今日は出掛けるからな寒うないようにベルベットの7部袖や。色はオフホワイトで襟元と袖と裾にファーが付いとって何やうさぎみたやで」 機嫌のええ声で言うてくれるから、それだけで嬉しくなる。 やから、 「うさぎは淋しいと死んでまうんよ」 と平次の胸に縋り付いた。 「ええ子にしとったら淋しがらせたりせぇへん」 背中に回された腕は優しくて、耳元で囁いてくれる声も優しくて本当に平次が許してくれたと思った。 「ええ子にする。もう平次を怒らせたりせぇへんから」 「ほんまやな?」 「うん。やから……嫌わんといてな…」 「お前次第やけどな。今は信じたるわ」 よかった… 平次に嫌われんでよかった… それから平次はアタシに餌と水を食べさせてくれてから、出掛ける準備を始めた。 「今晩はコテージに泊まるで。何か持って行きたいモンが有るんやったら言えや」 「平次。平次が一緒やったら、何もいらへん」 初めて行く処やったら、アタシは自由に動くことすら出来無いから。 「しゃぁないヤツやな。今日はずっと一緒に居ったるから、安心せぇ」 アタシの不安にすぐに気付いてくれた平次が、溜息交じりにそう言うてくれた。 「ほんま?」 ソファに置かれているアタシは平次の声がする方に身を乗り出して、自分でも呆れるくらいに嬉し気な声が出た。 「ああ。先に荷物を車に積んで来るさかい、お前はこれ着て玄関に居れ」 「うん!」 渡されたのはふかふかのコート。 温かいコートに袖を通して、言われた通りに玄関で平次が迎えに来てくれるのを待った。 篭から出るのは余り好きやないけど、平次がずっと側に居ってくれるんやから大丈夫。 平次に寄り添って駐車場に下りると、すでに車の中は温かくなっててアタシが座ると平次がシートベルトを止めてくれた。 少し倒されているシートに凭れ掛かり、平次の運転の邪魔にならいように気を付ける。 「音楽でも聴くか?」 「ううん。こんままでええよ」 前のアタシやったらすぐに自分が用意してきたCDを掛けてたはずやけど、今のアタシには必要ない。 外の景色も見れないけど、隣で運転してる平次の気配を感じてるだけで満足やから。 それに時々平次が回りの風景を説明してくれるから、「山が紅葉で真っ赤になってんで」とか「流石観光シーズンやなぁ、ぎょうさん他所の車が居んで」とか「お前の好きな山茶花も見ごろやで」と平次が今見ているモノをアタシに教えてくれるから。 アタシはそんな声を聞きながら、頭の中でその景色を想い描く。 だから見えなくても平気やし、余計な雑音は反って邪魔になるだけやから。 けど、そんな楽しい時間はあっという間に終わってしまった。 「着いたで」 アスファルトの上から砂利の上を走るような音に変わると、平次はゆっくりと車を止めた。 「ここ…どこ?」 車から下りると冷たい風と共に自然の匂いがして、微かに水の音が聞こえてくる。 「篭から40キロ程離れた高原や」 「アタシ前に来たことある?」 「さぁ、どうやろなぁ。それより寒いから、とっとと中入るで」 平次の答えは曖昧だったけど、優しくアタシの腰に腕を回して導いてくれるから、そんなことはどうでもよくなった。 鍵を開けて中に入ると、ここも車同様温かい空気に満たされてる。 やからアタシが不思議そうに平次に顔を向けると、 「管理人に頼んで暖房入れてもろたんや。温室暮らしのお姫さんが風邪でも引いたら困るさかいな」 と言いながらキスしてくれた。 「おおきに。平次」 アタシは感謝の気持ちをいっぱい詰めて、お返しのキスをした。 「荷物運ぶさかい、ここに座っとれ」 そう言ってアタシが連れていかれたのは、篭と同じように居心地の良いソファだった。 「それと、ほれ」 渡されたのは温かくて小ぶりなペットボトル。 「お前の好きなジャスミンティや。それでも飲んでええ子にしとれ」 「うん」 キャップを空けると、いつも平次がアタシの為に淹れてくれるジャスミンティの香りがした。 平次が淹れてくれたんや… その香りはお店で売られてるペットボトルのモノやなくて、独特で濃厚な香りを漂わせている。 アタシの為だけに平次が淹れてくれるジャスミンティ。 その温かさを頬に移してから、そっと口を付けた。 一口飲むたびに体中に温もりが広がっていく気がする。 嬉しくて、温かさが気持ち良くて、近くに平次の気配を感じながら、アタシの意識はふわふわと微睡んでいった。 |