平 heiwa 和 37
■ みんなの気持ち ■

朝、和葉ちゃんがいるのを見てほっとしたの。
なんだか、昨日のことが夢みたいでちょっと心配だったから。
でも、和葉ちゃんはちゃんと服部くんの隣にいたの。
って言うか、服部くんが和葉ちゃんの側から離れないって感じ。
新一も笑ってる。
「アイツは極端なヤツだからな。」
よかったね、和葉ちゃん。
今の服部くんは、本当に和葉ちゃんしか目に入って無いんだもの。
あの写真もDVDも、服部くん自身が燃やしちゃったみたいだし。
これで、少しでも早く和葉ちゃんの傷が癒えるといいね。
今までみたいに、また、いっぱい笑って、いっぱい話そうね。



KIDが最後にオレにした、和葉ちゃんの話し。
服部には伝えてない。
アイツはオレの判断に任せると言った。
だったら、誰にも話さねぇ。
和葉ちゃんが日本を出た、本当の理由。
世の中には知らなくていいこともあるんだ。
和葉ちゃんも今は服部の横で笑ってる。
それでいいじゃねぇか。
しっかし服部のヤツ黒くて分かりずれ〜けど、目の下クマ作ってねぇか?
おめぇが寝れなかったのは分かるけどよ、和葉ちゃんまで眠そうなのはなぁ・・・昨日早く寝たよなぁ確か・・・。
一日ぐらいがまんできねぇのか、このバカ。



結局、一睡もでけへんかった。
和葉の荷物は、いつの間にかフロントに預けられとった。
金髪のひょろっとした外人が届けに来たらしいんや。
和葉はそれが誰か分かったみたいやった、何も言わんかったけどな。
まだ、ゆっくり話ししてへんけど、俺は和葉が自分から話してくれるんを待つことにしたんや。
時間はあるんや、焦ることあらへんやろ。
そやけど、和葉の胸にはほんまに大きな傷があった。
心臓を囲むような、痛々しい跡がな。
昨日、和葉に見せてもらってん。
やっぱり、これからは俺がついとらんとな。



夜中に平次に起こされてから、一睡も出来てない。
めちゃくちゃ眠たい・・・。
そのせいかもしれへんけど、今までのことや、昨日の出来事が何や夢みたいや。
昨夜、平次はずっと謝ってくれた。
例の彼女のことや写真のこと、そしてあの映像のことや、この傷のことまで。
すべて自分のせいやって。
少し気持ちが軽くなった。
平次の側におったら、あたしの仮面もココロの傷もきっと消えていくはず。
ちょっと・・・不安はあるんやけど・・・。
こんな気持ちになれるんも、快斗のおかげや。
KIDの結婚式・・・すべて快斗があたしの為にしてくれたこと。
快斗には・・・もう、会えへんのやな・・・。
あの時の気持ちは、・・・・・・・・・。
くすっ、これはあたしだけの秘密や。



和葉がアイツの側で笑っている。
よかったな、和葉。
オレが和葉のことを姫と呼んでいたこと、結局あんまり役に立たなかったな。
結局最後は和葉に戻っちまったしよ。
これも恋ってヤツか?
これじゃぁ、あの野郎とかわんねぇじゃねぇか。
惚れた相手がゴールデンジュビリーと石コロくらいの差があるけどよ。
それより、工藤のヤツは、言ってねぇみたいだな。
多分誰にも言わねぇだろう。
和葉がこれ以上、苦しむ必要は無いってことだ。
さっ、オレは帰るとすっか。
青子の顔、早く見たいからよ。






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