平和のあとに 22 | ||
■ 彼女たちVS彼氏たち ■ | ||
あ〜〜も〜〜〜〜、門見えとんのにどうして辿りつかへんの〜〜〜〜? しかも、内門と外門って何やの〜〜?! もうすぐ内門やけど、外門までまたえらい距離あるやん・・・。 ってそこ駐車場やん! 何でこんなとこにあんねん! 校外やから、外門から出なあかんのやろな・・・。 ほんまに、ほんまに、どうなってんのこの大学〜〜〜。 「和葉ちゃ〜〜〜〜〜〜〜ん!」 この声! 蘭ちゃんや! あたしが来たんと反対の校舎から、蘭ちゃんが走って来とる。 「蘭ちゃん!」 うっ・・・蘭ちゃんも何やぎょうさん引き連れてるやん・・・。 後方での騒ぎが気になるけど、とにかく正門よね。 そう思って、人を掻き分けて校舎を飛び出したら、和葉ちゃんの姿が見えたの! 「蘭ちゃん、早よう早よう!」 和葉ちゃんが走る速度を落として、手を振ってくれてる。 あれっ、和葉ちゃんと一緒にいる子は誰だろう? 誰かに似てるんだけど・・・。 「蘭ちゃんも無事やったんやね!」 「うん。和葉ちゃんも!」 私たちは並んで正門を目指してる。 「あっ、蘭ちゃん。彼女な青子ちゃん言うって黒羽くんの彼女やねん。」 「初めまして、毛利蘭です。」 「中森青子です。」 「そうやって並ぶと、ほんま双子みたいやわ。」 そうよ!彼女、私に似てるんだ! 「青子ちゃんって・・・・」 って言いかけた私の言葉は、大学中に響き渡るんじゃないかってくらいの怒鳴り声に遮られたの。 そうよ!今はのほほんあいさつなんてしてる場合じゃなかった! 「 どかんかい!!アホンダラ !!どけっ言うとんじゃ――――――――!!!!! 」 「 じゃまだてめぇら!!!どけ―――――――――――――――――っ!!!!! 」 「うわっ!平次や!!」 「新一!!」 工学部のボケドモ!この落し前は、今度きっちりつけたるからな!! 無事に年を越せると思うなや!! 和葉も、和葉や! 何、一目ぼれなんぞされてんねん!しかも、告白なんぞされおって!! それよりやっ!!!!! いったい何人のボケッに惚れられてんのや!!!!! やっぱり勝手にウロチョロさすんやなかった〜〜〜〜!!!!! 「放さんかい!ボケッ!!」 まとわりつく最後の一人を引き剥がし、和葉を探す。 あっ!和葉んヤツもう一つ目の門の側やんか! うん?なんや、ねぇちゃんもおるやんか。 工藤も何やってんねん! 何なんだ、この野郎どもはっ! こいつらも白馬の回し者か〜〜〜? どいつも、こいつも、気安く”蘭ちゃん”なんて呼びやがって!!!! おめぇら全員、池に沈めてやるからな〜〜〜!!!! 「オレのじゃまをすんじゃね〜〜〜!!」 蘭!蘭はどこだ! 蘭!! クソッ!内門を抜けようとしてるじゃねぇか! 隣を走ってるのは、和葉ちゃんか? 服部も手こずってるみてぇだな! っておい!蘭が2人?! 誰だよあの子? 「 待たんかい!!和葉〜〜〜!!! 」 「 そんなん無理に決まってるやんか〜〜〜!! 」 「 いい加減にしろよ!!蘭!!! 」 「 ダメよ〜!!もう少しなんだから〜〜〜!! 」 |
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