平和のあとに 21
■ 2人の名探偵 ■

「どうしたのですか工藤くん。」
オレが何も言わずにいると、白馬は教授達と軽く挨拶を交わし同じテーブルに座りやがった。
「さぁ工藤くんも、いつまでも立ったままだと教授方に失礼ですよ。」
その取り澄ました笑い顔がすっげ〜ムカツク!!
だが、それを一切表には出さずに、
「確かに白馬くんの言う通りなのですが、自分にはどうしてもすぐに行かないといけない所がありましす。今泉教授、青山教授、せっかくのご厚意なのですが、今日はこれで失礼させて頂きます。」
っとそれぞれの教授に頭を下げた。
「そうか、そういうことなら残念だが仕方ないな。」
青山教授の言葉に今泉教授もなっとくしてくれた・・・・・っと思ったのに白馬の野郎。
「両教授のお誘いを断る程の理由を是非、聞かせて欲しいものです。」
と言いやがった。
この野郎!
オレはチラッっと時間を確認する。
この場に留まれるのは、後2分が限界だ。
「お恥ずかしいのですが、自分の大切な彼女が今日会いに来てくれているのです。しかも、先程、自分の不注意にて彼女を怒らせてしまいまして。今はその彼女を追い掛けていることろなのです。」
少し困ったように照れてみせる。
「ほう、工藤くんの彼女とな。」
「一度、会ってみたいものだな。」
「今度改めて、ご紹介させて頂きます。その時は、是非、白馬くんの彼女も一緒に。」
今度はオレが白馬に笑顔を向けた。
「僕など、まだまだ女性のお相手は無理ですよ。今は学業に専念したいですしね。」
ははは・・・・。
「学業はもちろんだけど、守るべき者があるというのは己を強くし、前に進む力となるんだけどな。」
「愛の力ですか。」
ははは・・・・・・クセ〜〜〜〜〜。
お互いに笑顔が引き吊ってるぜ。
オレはチラッっと今カフェに入って来た一団を視界に捕らえて、
「では、今泉教授、青山教授、失礼します。それから、白馬くん、恋愛は最高ですよ!」
再度、頭を下げ白馬が何か言う前に早々にその場を辞退した。
「蘭は?」
「記念センターの横辺りです。」
オレ達はやっとカフェを抜け出した。
背中に白馬の悲鳴を聞きながらな。
愛情の素晴らしさを存分に堪能しろよ!



「うっうわ〜〜〜わわわ〜〜〜〜!!!!!!」
なっなっ何なんですか、この人達は!
『もう、白馬ちゃんたら〜照れ屋さんなんだから〜〜!』
『あらっ、今泉教授、青山教授もこんにちわですわ。』
『私たちも白馬くんにお誘い受けましたの、ご一緒させて頂きますね。』
「ああ、構わんよ。」
「君たちが白馬くんと知り合いとはな。」
『まぁ、嫌ですわ教授。私達は白馬ちゃんのことを愛してますのよ。』
なっ・・・・・・・何を言ってるんですか。
どう見ても女性なのに、どうして声が・・・・!
だっ男性〜〜!?
この人たちは、あの世間一般で言われる”ミスターレディ”ですか?
そんな人達がどうして?
『白馬ちゃん、お隣失礼するわね。うふっ。』
ウインクと投げキッス・・・・。
うっ・・・・・気持ち悪い・・・・・・・・。
「しっ失礼ですが、僕はあなた方をお誘い・・・。」
『もう、テレちゃって。工藤くんからの伝言、キ・イ・タ・ワ・ヨ!』
あっあの男!!
『同姓愛について、知りたいんですって?いいわよ。何でも、オ・シ・エ・テ・ア・ゲ・ル!』
両脇から2人の女性・・・いえっ男性に腕を組まれ、耳元で囁かれってしまった。
「×※∞♂◇∀#〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」



まだ、白馬の野郎の声が聞こえるぜ。
ざまぁみやがれってんだ!
オレから、蘭を隠したりするからだぜ。
おめぇには、野郎で十分だってんだ。
一応、あいつら全員ここの学生だしよ、才色兼備じゃねぇか、お似合いだぜ白馬!
「工藤くん!」
「ああ、見えてるって!」
やっと、追いついたぜ!
オレたちの前方で、数十人の男女がドタバタやってやがる。
しかし、蘭が見あたらねぇ!蘭はどこだ!
何人いやがんだ、こいつら。
野次馬もどんどん増えてやがる。
クソッ!
仕方ねぇ、とくかく正門だ!
ここまで、来たら間違いねぇぜ!
オレは騒いでるヤツラの間をすり抜けて・・・・。
『工藤〜〜〜!』
突然、数人の野郎に捕まれちまった。
『蘭ちゃんの為にも、工藤だけは放さん!』
はぁ〜〜〜〜〜〜!!!!
「勝手なことぬかしてんじゃねぇぜ!!しかも、蘭のことを気安く呼ぶんじゃねぇ!!」
マジ蹴り入れてやる!この野郎!!
『ちょっと〜〜!そこのブサイク!何、工藤くんに抱き付いてんの!離れなさいよ!!!』
騒いでるヤツラが一斉にオレに向かって来やがる。
じゃまだ〜〜〜〜ドキやがれ!!






3人目の彼女 彼女たちVS彼氏たち
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