平和のあとに 24
■ 鬼ごっこの勝者 ■

なっなんやなんや!
もう少しで、和葉に追いつくっちゅう時に!
俺と工藤の前に突然割り込んで来よってからに!
じゃまやっちゅうねん!
止まれへんで!!



チッ!
こんな時に!
見慣れた覆面パトがじゃまくせ〜〜!
クソッ!
蘭が行っちまうじゃねぇか!



「ちょうど良かった、工藤くん、服部くん。KIDとJOKERから予告状・・・・が・・・・・・・・・・・・ひっ・・・・ひえ〜・・・・・。」



たっ高木刑事や!
「なにさらしとんじゃ〜〜〜ボケッ!!じゃまやないか〜〜〜〜〜!!」
平次らの勢いが落ちてる!
今のうちや!
「蘭ちゃん!!」



「和葉ちゃん!!」
ダンッ!!
えっ?
走りながらちらっと後ろ見たら・・・
新一が車の上を乗り越えてるよ・・・・・・・。



え〜〜ちょっと〜〜どこまで行くの〜〜〜?
「和葉ちゃん〜〜、蘭ちゃん〜〜〜〜、どこまで行くの〜〜〜〜?」



「「 えっ? 」」


「「 あっ! 」」



目の前には大通りが見えとる。


煉瓦の壁が後ろに見えてる。



「蘭ちゃん!!」
「和葉ちゃん!!」



「「  やった〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!  」」



やった〜〜〜!!
平次に勝ったんや!!!



うそ〜〜信じられない!!
新一に勝てたなんて〜〜!!!



あたしと蘭ちゃんはお互いに手を取り合って大はしゃぎや!
蘭ちゃんもめちゃ嬉しそうやし!
ちょこっと2人で喜んでから、振り返ると平次と工藤くんはほんまに近くまで来とったんや。
2mもあらへんやん。
2人ともその場に座り込んでしもてる。
顔がメチャ悔しそう。



『おお〜〜〜〜〜!!』
『和葉ちゃん〜〜〜〜おめでとう〜〜〜!』
『よかったな〜〜〜蘭ちゃん!!』
『工藤も彼女には形無しだな〜〜!』
『さすがの服部も和葉ちゃんには勝てないってか〜〜!』



改めて気付いたけど・・・凄い人の数じゃないの?
いつの間にこんなに・・・。
恐る恐る新一に目をやると、無言で座り込んだまま動かないよ。
服部くんも肩で息してるけど、不機嫌が体中から出てる。
それと、高木刑事・・・・車のドアに寄りかかってなんとか立ってるって感じ。
ははは・・・気の毒・・・・新一には車の上踏まれるし、服部くんには怒声浴びせられるしだもんね。



警視庁のマヌケくんのお陰で助かったぜ。
ってか、結局はオレのお陰じゃね〜かよ。
そうそう、昨夜、予告状出したんだっけな〜、こんなとこで役立つなんてよ!
しかも、JOKERのヤツもかよ。
偶然とは言え、これでアイツも少しは成仏出来るだろう・・・。
あ〜〜白馬の野郎なんだ?あの格好・・・くくくっ・・・・面白れぇ。
「おいっ!白馬!この勝負、引き分けだぜ。」



「何を言ってるんです。高木刑事を呼んだのは僕ですよ。!」
最後に彼らの足を止めたのは、僕が計算した時間通りに来た彼なのですよ。
「だからどうだってんだよ。同着は同着だろう。それに・・・くくくっ・・・いい格好じゃ〜ねぇか・・。」
まったくもって不本意ですよ。
なんだって僕がこの男と引き分けなんです。
それに、どうしてこうも露骨に笑われないといけないんですか!
工藤くんには勝てたのに、素直に納得できませんね!






勝つのは誰 彼女の笑顔と彼氏の不満
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