― 祝!heiwa本誌登場小噺リベンジ!part4 ― | ||||||
■ どんっ! ■ ★★★★★★ Last Page | ||||||
結局、章ちゃんが目を覚ましたのはあたしらが喉を潤して、もうそろそろ帰ろうかて言うたころやったわ。 しかも目覚めに見たんが平次と工藤くんの度アップやたから、声も出せずに白目剥いてまたひっくり返ったっちゅうんはここだけの話しな。 やって、なんかあんまりにも不憫やったから。 「章ちゃん・・・ほんまに大丈夫なん?」 「・・・・・・・」 なんとか再び起こして椅子に座らせたんやけど、両手で頭抱えて俯いたまんま。 まぁ、気持ちは分からんでも無いけど、流石にこの落ち込み具合には気が引ける。 あたしと蘭は目配せで溜息付いて、章ちゃんの為にジンジャーエールを注いで上げることにした。 やって、元々は章ちゃんに呼ばれたんやし、その本人が何も飲まへん言うんはおかしいし。 「章吾くん、コレ使ってもいい?」 蘭ちゃんが示してるんは、今日あたしらがお礼にと章ちゃんに買って上げた紙袋の中身。 無反応かと思いきや、一応頷いてるわ。 それを見てあたしも冷蔵庫から、冷えたペットボトルを取り出す。 もちろん平次と工藤くんはまだ何か言いそうやったけど、そこはあたしと蘭ちゃんの睨みで押さえ付けた。 やってこれ以上は、ほんまに弱い者イジメやん。 蘭ちゃんは紙袋ごとカップを流しまで持って行って、そこで中から取り出し丁寧に洗っている。 あたしもその場所までペットボトルを持って行く。 蘭ちゃんが洗ってるんは、ペアカップ。 章ちゃん一人が使うやんやけど、なんでかペアカップ。 買うた時は嫌がらせの意味合いが大きかったんやけど、今はちょっと違うかも。 あたしはあるコトを思い付いてポケットに入れたままやったマジック出して、右側のカップの底にメッセージを書いた。 それを見ていた蘭ちゃんも、同じ様に左側のカップの底にメッセージを書き込む。 そしてそのままその2つのカップにそれぞれ感謝の気持ちを込めて、ジンジャーエールを半分づつ注いだ。 何やかんやと怒涛の数時間やったけどあたしらの目的は達成されたし、何よりハーレムを牽制することが出来たんが大収穫や。 まさか、ここまで凄いとは思うてへんかったけどな。 それでも今日の出来事は、流石のハーレムもいくら何でも無かったコトには出来へんはず。 「これって、やっぱ章ちゃんのお蔭やんな?」 「納得出来ない部分はたくさん有るけど、章吾くんが連れて来てくれたからだよね?」 あたしらの会話に主語はないけど、これで通じてるんやから女の友情は素晴らしい。 「感謝の気持ちと」 「ほんのちょっとのイタズラもプラスして」 あたしらは左右から、章ちゃん専用ペアカップをトンッと彼の前に置いた。 「「 !!!! 」」 驚いたのはもちろん平次と工藤くんや。 章ちゃんの前に置かれたピンクのペアカップを指差して、 「そ・・それは何やねん!!」 「何でソイツまで!!」 と盛大にブーイング始めてしもたわ。 そう。 章ちゃんのペアカップもあたしらとお揃いやねん。 色はピンクやけどな。 これは、白、黒、ピンク、この3色しかこのぺカップには色がなかったからやねん。 章ちゃんは平次らのブーイングにまた少し怯えたものの、喉が渇いてたんやろうあたしが置いたカップを持つと一気に飲み干した。 「 !!!おいっ!!こらっ!!ちょう待たんかいっ!! 」 平次が章ちゃんが持つカップの底を見たとたん、椅子がひっくり返る勢いで立ち上がって叫んだ。 やから、 「あっこれな、あたしと蘭ちゃんからの今日付き合うてくれたお礼やねん」 と先手を打つ。 「はぁ?それが何でハート付きなんじゃ!!」 カップの底には『章ちゃんへ 感謝を込めて♥ 和葉』と書いたからなんやけど。 「感謝の気持ちを表現してみただけやんか」 「も・・もしかして・・・」 工藤くんが未だ章ちゃんの前に置かれたままの、蘭ちゃんが差し出したカップを指差して呟いとる。 「もちろん、私も和葉ちゃんと同じよ」 「密貞、それはオレが買い取る!!」 工藤くんは速攻お財布からお札取り出してるわ、平次は章ちゃんの手からカップを奪い取ろうとしてるわ。 あたしらの想像通り、このカップ&メッセージは二人のお気に召さんかったみたいやね。 けど、ここで以外なんやけど、章ちゃんが始めて真っ向から二人に反論したんよ。 「これは俺が貰ったんだ!」 ときっぱりと。 おお〜! って思ったんは一瞬で、その後は相変わらず二人にボコにされとったけど。 それでも、章ちゃんは最後まで自分のペアカップ死守しとったわ。 あたしと蘭ちゃんはそんな3人の光景を、優しく見守ったんは言うまでも無いやろ。 何や楽しそうやったから、邪魔した悪い思うて。 そしてあたしらは次はいつ、奇襲に来ようかと相談を始めた。 このペアカップだけやと蘭ちゃんの言う通り、あのハーレムに対しては確かに物足りない。 今日の出来事も暫らくの間は威力があるかもしれへんけど、それもいつまで持つか分からへん。 やからハーレムへの牽制は、定期的にやらなあかんやろ? これもモテル彼氏を持った彼女の務めや。 章ちゃんには悪いけど、もう暫らくあたしらに付き合うて貰うことになるんやろう。 その為のメッセージ&ハートマーク付きペアカップ。 やってカップが繋いだ物語は、まだ始まったばかりなんやから。 |
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祝!heiwa本誌登場小噺リベンジ!part4 ★★★★★ これにて、「どんっ!」は終了です。そして「リベンジ小噺」もすべて終わりです。 長らくのお付合いありがとうございました。☆⌒(*^▽゜)vありがd 次回、平和が本誌に登場する際は、また何か出来たらいいなと思っています。(意気込みはいつでもあるから・・・) 皆様に楽しんで頂けたら、そだけで私は満足です。 by phantom
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