― 祝!heiwa本誌登場小噺リベンジ!part4 ―
■ どんっ! ■ ★★★★


蘭ちゃんと大きな溜息吐いて、視線をふっとテーブルの上に泳がせた。
「あ・・」
このアホ、持って来てくれたんや。
そこにはあたしと蘭ちゃんの紙袋が2つと、あたしらがアホに買ってあげた紙袋が並んで置かれとるやん。
文系棟に入ってからアホが『邪魔になるからロッカーに置いていく』と言い出して、あたしらのも自分のロッカーに入れてしもたから。
その時は何でそんなことするんやろ?て思うたけど、今になったらその選択が大正解やったと思うわ。
アホはアホなりに、この状況を予測してたんやろな。
ちょっともっかい見直したかも、しかもなんか多大に気の毒な気ぃもするし、これからは頭ん中も”アホ”やなくて”章ちゃん”にしたるかな。
あたしがそんなん思うてると、隣の蘭ちゃんからもクスッて笑い声が漏れた。
きっと同じようなコトを思うてたんやと思う。
お互いに微笑み合って、気絶したままの章ちゃんに笑顔を向けた。
「な〜に笑うてんねん。何もおもろいコトなん無いやんけ」
「どうせ笑うなら俺に向けて微笑め」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
ほんま分かり易い言うか何ちゅうか。
それにしても平次と工藤くんの言うコトは対照的なんか、それとも続けて1コの文として受け取るべきなんか。
言うてるセリフによ〜性格が出てるわ。
「「はぁ〜」」
あたしらの揃った溜息は、これまた同じコトを思うてた証拠や。
やから、
「喉渇いたんやけど、コレって飲んでもええの?」
とテーブルに出してあったジンジャーエールのペットボトルを指差した。
笑顔を見せてあげるのは、もう少し先やで。
「ええで」
平次があっさりとそう答えてくれたから、
「ここって、もしかして犯罪心理学研究会なの?」
と蘭ちゃんが回りを見回した。
「そうだ」
今度答えたのは工藤くん。
あたしも改めて室内をぐるっと見回して見た。
犯罪心理学研究会なんマイナーなサークルかと思うてたけど、この部屋を見る限り大所帯のサークルなんやて言うんがよ〜分かる。
やってこの部屋、どうみても普通の教室並に広い。
しかもそれぞれのカップが置いてある食器棚らしきモンには、色取り取りのカップがビッシリ詰まってるし。
サークル名からは想像が出来へん程に、部屋全体が綺麗で更には花瓶に花なんかまで飾ってあるやん。
やから、ここも大所帯の大半がハーレムで埋め尽くされているとみた。
まぁ、今更驚かんけどね。
「蘭ちゃん、カップ出そうか」
「そうだね」
あたしらは何も気付かなかった振りをしてそれぞれの紙袋を引き寄せ、中から以外とこの部屋やったら似合うかも?とか思いながら可愛らしいカップを取り出した。
蘭ちゃんもあたしもペアカップやから2コづつ取り出し、蘭ちゃんは左側のカップをあたしは右側のカップを持ってドンッ!てテーブルの中央にその2コをくっ付けて置いた。

「これ平次のやから」
「これ新一のだから」

「はぁ?」
「げっ・・・」

平次と工藤くんの反応にあたしと蘭ちゃんは、ここぞという会心の笑みをやっと見せてあげた。
平次らの目の前に差し出されたカップはもちろん、平次はあたしと工藤くんは蘭ちゃんとペアカップになっとる。
やけど平次のカップはペアカップの右側、工藤くんのカップはペアカップの左側。
ほんで、あたしらと蘭ちゃんらのペアカップは地色が違うだけの同じ柄。
可愛らしい天使が唇突き出してチュッてやってるポーズで、カップ全体には綺麗なビーズがいっぱい配われた激プリ模様。
ちなみに平次とあたしのが地色が黒で、工藤くんと蘭ちゃんのは白や。
つまり、必然的に左右が揃うと、少々地色が違おうがペアカップになるわけやねん。
「あっ、ちゃんと名前も書いといたから」
とカップの底を見せる。
油性マジックであたしの字で『服部平次』、蘭ちゃんの字で『工藤新一』と誰が見ても分かるようにきっちりフルネーム。
「平次いっつも工藤くん工藤くん言うてるから嬉しいやろ?」
「・・・・・・・」
「新一も仲良しの服部くんとペアなんだから文句無いよね?」
「・・・・・・・」
あたしらの超笑顔に何か言いかけた2人やったけど、お互いにガンを飛ばし合うだけで辛うじて言葉を飲み込んだみたいやったわ。





★★★ ★★★★★
祝!heiwa本誌登場小噺リベンジ!part4 ★★★ 
いつまでやってるんでしょうかこれ?(笑)
流石にそろそろ終わらせましょうね〜o(TヘTo) くぅ
by phantom



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