「 色喰夜会 」 第 十 話 | |
「あはは…」 「ちょう待ってくれ和葉」 「あか〜ん。アタシを捕まえなご褒美は無しやで」 「和葉?どこや?和葉!」 オトコのプレゼントはあの卑怯なオンナの手首やった。 薬指にゴテゴテしたネイルをしとるたから、あの時アタシを左側で支えとったオンナの左手。 「コレ……切り取ったん?」 「そや。これだけあればええやろ?」 「そやね…」 ココだけ切り落とされた後の部分がどうなろうと構わない。 「気に入ったやろ?」 「ありがとう」 これで平次に群がるオンナがヒトリヘッタ… 「やったら、そやったら、眼ぇ開けてくれ」 アタシはこのオトコが来てから、まだ一度も瞼を開いてない。 「頼む。眼ぇ開けてくれや…」 「ええよ」 オトコの食い入るような視線の中、ゆくっりと瞼を開いてあげる。 「……っ」 喉を鳴らし、アタシの眼に魅せられていくんが分かる。 「あ…」 「あかん。アンタはアタシの眼ぇが見たかっただけやろ」 アタシに触れようとするオトコの手を、静かに払い除けた。 「そ…それは……」 オトコが情けない声を絞り出す。 「アタシに触れたいん?」 何も言わずに首を動かしてるのは分かるけど、気付かない振りをする。 「アタシと遊びたないん?」 「た…頼む……から…」 「何?」 「触らしてくれ…」 思わず笑みが漏れてしもた。 このオトコはアタシのお人形… 「やったら鬼ごっこしよ」 オトコの首に巻かれている布を引いて、 「これで目隠しして?」 と囁けば、オトコはすぐに従った。 自分できつく巻いた布を確認させるようにアタシに触らせるから、そこにそっとキスしてあげた。 「あぁ…」 これだけで歓喜の声を漏らす。 「アタシが逃げるから、10数えたら探してな」 そう言うて、オトコの側からするりと逃げ出した。 平次は篭の中でなら、好きに遊んでええて言うたから… オトコの真剣に数える声を聞きながら、少しでも遠くへ逃げようとアタシは笑いながら走り出した。 「あはは…ふふふ……」 平次の居ない時に、こんなに楽しいのは初めて。 「10数えたで!和葉!どこや?」 「こっち〜」 平次の作ってくれた篭は広いから、鬼ごっこには丁度いい。 「和葉?和葉?うわっ」 オトコが手探りで動き出したのか、物にぶつかる音がした。 眼が見えなくてもアタシは、篭の中でなら自由に動ける。 同じ条件のオトコに掴まる可能性は低い。 でも…それやったら……面白ない… 時々はオトコが側に来るまで待ってあげる。 「かっ…」 そやけど、アタシを捕まえようとしたオトコの腕からするりと逃げる。 「あはは…」 「ちょう待ってくれ和葉」 「あか〜ん。アタシを捕まえなご褒美は無しやで」 「和葉?どこや?和葉!」 「こ〜こま〜でお〜いで」 オトコは色んなとこでモノにぶつかりながら、必死にアタシを捕まえようと追いかけて来る。 どのくらいそうして遊んでたやろうか、アタシは喉の渇きを覚えてアタシだけの為に在る小さな冷蔵庫に手を伸ばした。 ここには独り残されるアタシの為に、平次が用意してくれている餌と水が有るから。 扉を開け水を取り出そうとしたら、 「見付けたで!」 とオトコに後ろから抱き締められてしもた。 「あっ…」 水の入ったペットボトルは、アタシの手から離れてどこかに音を立てて落ちた。 それと一緒にオトコが目隠しにしとった布を取って、落とした音もした。 「和葉、和葉、和葉…」 オトコがアタシの首筋に顔を埋め、何度もアタシの名前を囁く。 「あ…ぁっ…あん」 ワンピースの上から胸を、痛いくらいに両手で揉み上げられた。 今度はお人形さんとじゃれて遊ぼ… 「心配せんでも、服部にバレルようなコトはせんから」 このオトコは平次を恐れてる。 アタシにしたコトが平次にバレたら、きっと困るのはこのオトコ。 やってアタシは遊んでるだけやもん… 平次は篭の中でなら、何をしとってもええて言うたから… アタシはお人形さんで遊んでるだけ… それだけやもん… 「服…脱がしてええやろ?」 言葉が言い終わった時には、ワンピースはすとんと下にアタシの肌を滑り落ちた。 「下着もな…」 ブラが外されアタシはソファの背に押し付けられる。 「綺麗や…和葉は綺麗や…」 オトコはアタシの背中を舐めながら、下着もずらしそのままお尻にしゃぶり付く。 「あん…あぁぁ…」 ザラツク舌で足を舐められ、下着を足から抜き取られた。 「下に俺のコート敷くから」 オトコはアタシの腰を自分のコートの上まで引くと、 「そのままソファ掴んどれな」 そう言うて足の間に入り込むと、アタシの好きなトコを舐め始めた。 「あぁぁぁ…」 オトコのざらついた舌が、乱暴にアタシの蕾を何度も何度も舐め上げ、手はお尻を荒々しく撫でたり掴んだり。 「あっあぅ…あっあっ……もっと…」 平次とは違う愛撫に、弥が上にも気持ちは昂ぶっていく。 「和葉の蜜は甘いなぁ…」 じゅるじゅる音を立ててしゃぶられ、指も中に入れられる。 「んっ…」 「もっとやろ?俺も和葉の蜜……もっと飲みたい…」 アタシの中の蜜を掻き出す指の動きに、堪らなくなって腰を振った。 「あんあんあん…」 「逃げたらあかんやんか」 腰に腕を回されて固定され、指の動きはそのままにオトコの顔がアタシの秘所に密着する。 「気持ちええやろ」 「あぁぁ……んんん……んぅ」 それからオトコは自分が納得するまで、アタシの蜜を貪り続けた。 アタシが立っていられなくなると今度は後ろから抱き付いてきて、一気にアタシは貫かれた。 「ああああああぁぁ……」 「素っ裸にされて…うっ……服着たままのオトコに……んっ……いたぶられる…うっ…んはどう……や…」 オトコが動く度にベルトがカチャカチャと鳴り、背中をシャツのボタンが擦っていく。 腰を掴んで揺すっていた手が、今度は乳首を掴んで揺すり始めた。 「あっあっあっんんんんん……ううう…」 「和葉!和葉!和葉!和葉!」 オトコはいつまでもアタシの名前を呼び続け、何度も何度もアタシの中に放ち続ける。 そんなオトコが渋々とアタシをと離れて行った時には、アタシの意識は朦朧と夢と現を彷徨っていた。 「今日はもう……帰らなあかん……和葉……体洗ったるからな……風呂どこや?」 抱きかかえ上げられたアタシは、気だるくその場所を教える。 そこでオトコはアタシの体を洗い、執拗に秘所から自分の汁を洗い流した。 「これで服部には気付かれんやろ」 そう言い濡れた髪も乾かし、下着とワンピースを着せるとアタシをソファの上にそっと下ろした。 「またプレゼント持って来たら……逢うてくれるか?」 「………ん」 気だるく声を出しただけやのに、 「ほ…ほな!明日も持って来る!」 と高揚した声で叫んだ。 「ん……」 「これは服部に見付かるとあかんやろうから持って帰るわ」 「……ん…」 オトコの気配が遠ざかると、アタシの意識は薄れていった。 ぎょうさん遊んだから……少し寝よ…… 平次が…帰って来て……起こ……し………て…………ク………レ……ル……マ…デ……… |