「 CROW - glance around- 」 4。。 |
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■ 良平 VS 平次 ■ 服部邸の居間で平次はキョロキョロと周りを見回した。 そして立ち上がると、今度は廊下を確認している。 「よし。おらへんな。」 うんうんと頷き、それでも小声で、 「和葉、耳ん中してくれ。」 と宣うた。 「しゃ〜ないなぁ。」 と和葉も耳カキと綿棒、ティッシュを用意。 「おいで。平次。」 その声に平次が和葉の膝に頭を置こうとした。 トタ。 トタ。 トタ。 トタ。 バッ! トットットットッ。 ちょこんっ。 ケリッ!! ママの膝に先に座り込んで、パパの頭をケリ飛ばしたのは良平。 「う〜〜〜〜〜〜!!」 しかも威嚇までしている。 ・・・・・・・・。 「このガキ・・・・・・・・・どっから現れたんや!さっきまで、おらへんかったやんけ。」 平次はケラれた頭をさすりながら、良平の前にあぐらをかいた。 「い〜〜〜〜〜〜!!」 良平はそんなパパに、両手で口を引っ張って対抗している。 和葉はといえば、そんな2人をやれやれっといった感じで可笑しそうに見ているだけ。 ここで下手に何か言えば、余計ややこしくなるのをもう十分に知っているから。 いつからか、平次が和葉に甘えようとすると良平がジャマをしだしていた。 「さっさと、ドカんかい。」 パパが手を伸ばすより早く、向きを変えてママにしがみ付く。 しかも、ママの胸の間に顔を埋めてイヤイヤ。 「おいっ!こらっ!それはパパのや!お前はもう卒業したやろがっ!離れんかいっ!」 「パパのちゃう〜〜〜〜〜〜!」 「な〜〜にがちゃうねん!ママはぜ〜〜んぶパパのやで〜〜!」 パパのニヤニヤした顔が気に入らなかったのか、良平はまた行き成り振り返るとパパに頭突きをかました。 「うっ・・・・・。」 「ママはリョウのや〜〜〜〜!パパのちゃう!!」 良平はそのままパパに向って行った。 パパも何かと応戦している。 「はぁ・・・・・・・また始まってもうた・・・・・・・。」 これはもう、服部家では日常行事となっているのだ。 こうなると、これがまたなかなか終わらないのである。 「明日は日曜やし。このまま、ほっとこう。」 和葉はさっさと綿棒などを片付けると、 「葉、さきに寝よか。」 と一人我関せずと本と読んでいた葉を連れて部屋に行ってしまった。 ジャレ合っていたパパと良平が気付いたときにはすでにママと葉の姿はなく、慌てて2人で2階に上がってみるとママは葉と仲良く子供部屋で眠ってしまっていたのだった。 しかたなく、良平はパパと一緒に寝ることに。 「パパのせ〜〜〜や〜〜〜〜!」 ケリッ! 「いでっ!ア〜ホ〜。それはパパのセリフや。ほらっ、さっさと寝んで良平。こらっ・・・・ケルなっちゅうに・・・・・。」 ベットの上で第2バトル開始。 そして次の朝、和葉が見たモノは。 平次のお腹の上で大の字になって寝ている良平。 なんだか苦しそうなのにまったく起きない平次。 「ほんま・・・・・そっくりや・・・・・・。」 ちゃんちゃん。 |
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