平和のあとに 6
■ 和葉の楽しみ ■


「フフフッ〜フフン〜〜〜ルンルン。」
引っ越し、引っ越し、お引っ越し〜!
今日は、平次とあたしが工藤くんとこに引っ越す日。


工藤くんって流石やわ〜。
最初あのシナリオ・・・しかも台詞付き・・・貰うた時はビックリしてもうたけど、まさかこんなに上手くいくやなんて。
前もってそれとなく平次に素っ気ない態度をとって、KIDのカードが来たらやたら喜ぶやろ、そして最後に平次にメチャ甘えるやったんよな〜シナリオ。
恐るべしやわ、工藤くん。
ほんま平次の性格よう分かってんのやなぁ。
ちょっと妬けるわ。
そやけど、KIDが来るんどうして知ってたんやろ?
まさか、工藤くんがお願いしたとか・・・?
ははは・・・・いくら工藤くんでも、そこまでせ〜へんわな〜・・・・。
・・・・・・・・・・・。


「和葉〜用意出来たんか〜?」
あっ、手がお留守になっても〜た。
慌ててまた、段ボールに物を詰め込む。
引っ越す言うても、このマンションは一応このままの状態にしとくんや。
身の回りの物や日用品だけ持ってく。
なんや、長期合宿に行くみたいやわ。メッチャ楽しい!
「うわっ、なんやねんこの段ボールの山。」
「仕方ないやん。服とか色々入れてたら、こんなんなってもうたんやもん。」
平次があたしの部屋ん前で絶句しとる。
「俺と違ごうてお前服だけやんか。それで、どうしてこうなんねん。」
「ええやんか。あたしかて、受験勉強の教材もあんのや。早、玄関まで運んでや。」
文句言うてる平次をよそに、最後の段ボールに封をする。
出来た!これで終わりや!
結局、パソコンやら大学の教科書、事件の資料やらを詰め込んだ平次の段ボールの数とあたしの段ボールの数同じやん。
その他、食器や洗面道具の箱なんかで全部で15以上。
まっええよね。一応、引っ越しなんやし。
「忘れモンは〜・・・。」
自分の部屋の中やキッチンその他も確認する。
その間、平次は引っ越し屋の人に荷物を渡してる。
「和葉〜、こっちは終わったで〜。」
「うん。こっちも。一応、忘れモンは無いみたいやし。」
「別にあってもええやろ。近いんやし、また、取りにくればええやんか。」
「そうやね。」
平次とあたしはそれぞれのヘルメットを持って、しばらく留守にする部屋を出た。


工藤くん家に着くと、蘭ちゃんが昼食の用意をして出迎えてくれた。
蘭ちゃんは昨日、引っ越しを済ませとる。
みんな一緒になったら大変だからと言う工藤くんの希望で・・・それだけの理由やないと思うけど・・・。
「これからはよろしくね、和葉ちゃん。」
「こっちこそ、よろしゅ〜ね、蘭ちゃん。」
2人で手を取り合ってはしゃいでいる横で、男2人は、
「世話になんで、工藤。」
「しゃ〜ね〜な〜。」
って素っ気ない挨拶しとる。
それを見て、
「本当は嬉しいくせに。」
「そやそや。」
と蘭ちゃんとあたし。
男2人にジト目で睨まれたかて、怖ないで。
そんなん、蘭ちゃんとあたしに利くわけないやん。


昼食を済ませた後、蘭ちゃんはあたしの荷物解くんを手伝ってくれた。
平次とあたしの部屋は、2階の階段あがってすぐが平次でその隣があたし。
工藤くんの部屋は1階にあって、蘭ちゃんの部屋はその隣。
部屋割りはもちろん、工藤くんの一存やで。
部屋ん中は、備え付けのクローゼットや机にベットなど基本の家具は全部あるからすごいわ。
「ほんま、工藤くん家ってすごいわ。こんな部屋がいくつもあるんやから。」
あたしが感心してつぶくやくと、
「おじさまやあばさまの仕事の関係上、来客多いから。」
蘭ちゃんがあっさり答えた。
「詳しいんやね。蘭ちゃん。」
ニヤ〜っと顔を覗き込んだら、真っ赤な顔してこう返されてもうた。
「もっもう何言ってんの〜。和葉ちゃんだって、服部くん家のことには詳しいくせに。」
「うっ・・・。」
そしてお互いの赤い顔みて、吹き出した。
「ほんま、ありがとな。蘭ちゃん達のおかげで、あたし平次の側から離れんで済みそうやし。」
「あたしもありがとうね、和葉ちゃん。新一と一緒に暮らせるなんて夢みたい。」
そして、お互い一層赤くなって笑いあった。






平次の心労 蘭の企み
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