「フフフッ〜フフン〜〜〜ルンルン。」 引っ越し、引っ越し、お引っ越し〜! 今日は、平次とあたしが工藤くんとこに引っ越す日。
工藤くんって流石やわ〜。 最初あのシナリオ・・・しかも台詞付き・・・貰うた時はビックリしてもうたけど、まさかこんなに上手くいくやなんて。 前もってそれとなく平次に素っ気ない態度をとって、KIDのカードが来たらやたら喜ぶやろ、そして最後に平次にメチャ甘えるやったんよな〜シナリオ。 恐るべしやわ、工藤くん。 ほんま平次の性格よう分かってんのやなぁ。 ちょっと妬けるわ。 そやけど、KIDが来るんどうして知ってたんやろ? まさか、工藤くんがお願いしたとか・・・? ははは・・・・いくら工藤くんでも、そこまでせ〜へんわな〜・・・・。 ・・・・・・・・・・・。
「和葉〜用意出来たんか〜?」 あっ、手がお留守になっても〜た。 慌ててまた、段ボールに物を詰め込む。 引っ越す言うても、このマンションは一応このままの状態にしとくんや。 身の回りの物や日用品だけ持ってく。 なんや、長期合宿に行くみたいやわ。メッチャ楽しい! 「うわっ、なんやねんこの段ボールの山。」 「仕方ないやん。服とか色々入れてたら、こんなんなってもうたんやもん。」 平次があたしの部屋ん前で絶句しとる。 「俺と違ごうてお前服だけやんか。それで、どうしてこうなんねん。」 「ええやんか。あたしかて、受験勉強の教材もあんのや。早、玄関まで運んでや。」 文句言うてる平次をよそに、最後の段ボールに封をする。 出来た!これで終わりや! 結局、パソコンやら大学の教科書、事件の資料やらを詰め込んだ平次の段ボールの数とあたしの段ボールの数同じやん。 その他、食器や洗面道具の箱なんかで全部で15以上。 まっええよね。一応、引っ越しなんやし。 「忘れモンは〜・・・。」 自分の部屋の中やキッチンその他も確認する。 その間、平次は引っ越し屋の人に荷物を渡してる。 「和葉〜、こっちは終わったで〜。」 「うん。こっちも。一応、忘れモンは無いみたいやし。」 「別にあってもええやろ。近いんやし、また、取りにくればええやんか。」 「そうやね。」 平次とあたしはそれぞれのヘルメットを持って、しばらく留守にする部屋を出た。
工藤くん家に着くと、蘭ちゃんが昼食の用意をして出迎えてくれた。 蘭ちゃんは昨日、引っ越しを済ませとる。 みんな一緒になったら大変だからと言う工藤くんの希望で・・・それだけの理由やないと思うけど・・・。 「これからはよろしくね、和葉ちゃん。」 「こっちこそ、よろしゅ〜ね、蘭ちゃん。」 2人で手を取り合ってはしゃいでいる横で、男2人は、 「世話になんで、工藤。」 「しゃ〜ね〜な〜。」 って素っ気ない挨拶しとる。 それを見て、 「本当は嬉しいくせに。」 「そやそや。」 と蘭ちゃんとあたし。 男2人にジト目で睨まれたかて、怖ないで。 そんなん、蘭ちゃんとあたしに利くわけないやん。
昼食を済ませた後、蘭ちゃんはあたしの荷物解くんを手伝ってくれた。 平次とあたしの部屋は、2階の階段あがってすぐが平次でその隣があたし。 工藤くんの部屋は1階にあって、蘭ちゃんの部屋はその隣。 部屋割りはもちろん、工藤くんの一存やで。 部屋ん中は、備え付けのクローゼットや机にベットなど基本の家具は全部あるからすごいわ。 「ほんま、工藤くん家ってすごいわ。こんな部屋がいくつもあるんやから。」 あたしが感心してつぶくやくと、 「おじさまやあばさまの仕事の関係上、来客多いから。」 蘭ちゃんがあっさり答えた。 「詳しいんやね。蘭ちゃん。」 ニヤ〜っと顔を覗き込んだら、真っ赤な顔してこう返されてもうた。 「もっもう何言ってんの〜。和葉ちゃんだって、服部くん家のことには詳しいくせに。」 「うっ・・・。」 そしてお互いの赤い顔みて、吹き出した。 「ほんま、ありがとな。蘭ちゃん達のおかげで、あたし平次の側から離れんで済みそうやし。」 「あたしもありがとうね、和葉ちゃん。新一と一緒に暮らせるなんて夢みたい。」 そして、お互い一層赤くなって笑いあった。
|