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平和のあとに 19
■ 走る蘭に焦る新一 ■

新一を学2棟と呼ばれた校舎に残して、私と白馬くんは隣の総合コミュニケーションセンターの中を歩いているの。
外は寒いからと白馬くんは、少しでも温かい場所を選んでくれてるみたい。
でも、学生が多いとかえって私の格好は目立ってるみたいなんだけど・・・。
しかも・・・なんだか、私たちの後にゾロゾロと・・・。
その時、白馬くんの携帯が鳴ったの。
「はい、白馬です。ええ、ええ、やはりそうなりましたか。分かりました。佐伯女史もご苦労様でした。」
そう言って一度切ると、また違う誰かに掛けたの。
「プランAを実行して下さい。お願いします。」
今度はそれだけ言って切ちゃった。
「では蘭さん。僕たちも別れましょうか。」
「えっ?」
白馬くんは振り返り、
「彼女に協力して頂ける方はいらしゃいますか?」
って誰に言ってるの?って振り返ると・・・・わっ・・・。
いっいつの間に、こんなに大勢の人がいたの?
『おれっ!』
『僕も!』
「では、男性陣は彼女を正門まで送り届けて下さい。」
『わかってるよ!工藤から守ればいんだろ!』
『蘭ちゃん、オレらが付いてるからね~!』
あっえっ・・・何がどうなってるの?
「蘭さん、僕はただここをゆっくり通ったのでは無いのですよ。協力してくれる人達を集めてたんです。流石は蘭さんですね、僕もこんなに大勢になるとは予想外でした。」
って笑ってる。
何が流石なのかしら?



オレは女達を3つのグループに分けて、それぞれにある行動を指示した。
1つ目は、とあるサークルの連中を白馬のところまで連れて行くこと。
2つ目は、さっきから鳴り響いてる学内放送だ。法哲学の森永教授がオレにレポート持って来いって言ってやがる。提出日・・・うん?あっやべぇ・・・昨日までだったぜ。でもよう、普段はあの教授2・3日は待ってくれるんだぜ。それがいきなり呼び出しだ。白馬の野郎がやらせてるに違いねぇ。そう思って、教授の所と事務センターにある放送部に行かせた。ついでに、オレと服部の荷物も取って来てくれるように頼んだんだ。きっと服部のヤツも3限目なんか受ける気ねぇだろしよ。
最後の3つ目、神津代表らサークルのメンバーはオレと行動を共にしてるぜ。他のヤツとの連絡係ってとこだ。
しかしよう、学2棟を出るのに時間喰っちまったぜ。何の為に外側から3重にも鍵がかけれる様になってんだよ。それに、1階の窓が嵌め殺しつ~のはどういうことだ?いったい以前は何に使われてたんだ・・・気になるから今度調べてみるか。
今はそれどころじゃねぇからな。
「工藤くん、蘭さんは総コミを抜けて文1棟へ向かったそうよ。」
神津代表だ。
こういう時は、女の連網っての結構役に立つんだよな。
「了解!オレらは、総コミからカフェを横切るぜ!」
オレの思った通りだ。
蘭は近い東門じゃなく、ぜってぃ正門を目指してるはずだ。



私は白馬くんと別れて、男の人達に誘導されるように走ってるの。
でも、この人達って、え~と何人いるんだろう?
10・・・・15・・・・数え切れない・・・・。
『ねぇねぇ、蘭ちゃんって工藤の恋人?』
『大学はどこ行ってるの?』
『めっちゃオレの好み~~!!』
さっきから、色々聞かれるんだけど・・・何て答えたらいいのかな・・・。
って答える間がないくらいあっちこっちから声がするよ~。
それにこの人達誰?東都大の学生ってことは分かるんだけど。
『蘭ちゃんって大人しいんだね~。』
『そういうところが益々好み~~!』
私が何も答えないでいると、勝手に誤解されちゃったみたい・・・はははっ。
それにしても、私たちは相当目立ってるわよね・・・はっ恥ずかしい・・・。
そのせいかな?2棟の校舎を抜けるのに随分時間が掛かちゃったみたい。
女性のグループがいくつも廊下にいたので、なかなか素通り出来なかったのよ。
なぜだかみんなすんなり避けてくれないんだもの。



う~~~マジかよ。
どうして、法学部教授がこんな学生カフェなんかで飯食ってんだ~~!
オレはカフェの中央を突っ切ろうとして、法学部の教授2人に捕まっちまたんだ。
ちきしょ~カフェは迂回すべきだったか?
しかし、そうすると結構遠回りになっちまうし・・・。
目が合っちまったから無視することも出来ねぇ、取り敢えず曖昧に返事をする。
女たちは神津会長以外は先に行かせた。
とにかく蘭を見付けたら、少しでも足止めになるようにだ。
『どうだね、工藤くんも一緒に。』
教授らのお誘いを何とかご機嫌を損ねず上手に断ろうとした時、
「折角の今泉教授からのお誘いなのですから、是非、工藤くんも一緒にいかがですか。」
っつ~白馬の野郎のキザなセリフが聞こえてきたぜ。
やっぱりテメェの仕業かよ!






逃げる和葉に追う平次 3人目の彼女
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