平和のあとに 27
■ 彼女たちの悲鳴 ■

『ほな、オマエはどうするっちゅうねん!』
『うるせぇなぁ、少しは黙ってられねぇのかよ!』
『これが黙ってられるかい!元はと言えば、全部オマエのせいやで、工藤!!』
『はぁ〜?何言ってんだ、テメェ?!』
『そうやろが!オマエん家に来てからやで、和葉が勝手にウロチョロしだしたんわ!!』
『バカかテメェ?!それが普通だろう!!』
『そやったら、何でこんなコトになるんや?!』
『オレが知るか!!そんなことっ!!そもそもオメェ、和葉ちゃんのこと束縛し過ぎなんだよ!!』
『なんやと〜〜!!!』
ドカッ!!
『オメェの独占欲は異常だっつってんだよ!!!』
バッタンッ!!
『人のことが言えんのか工藤〜〜!!』
ドンッ!!


さっ・・・さっきから聞こえてきとる、音はなんやろ・・・?
「かっ和葉ちゃん・・・。何だか外の雰囲気・・・悪くない・・・?」
「そっ・・・そうやね・・・。」
話の内容自体は嬉しいんやけど・・・。


『オメェほどじゃねぇよっ!!いてぇ〜じゃねぇかっ!!』
バキッ!!
ドッサッ!!
『うっさいんじゃボケッ!!』
ガッシャ〜〜〜ン!!
『うっ!!』


こっこの音って・・・・もしかして・・・・・。
「らっ蘭ちゃん・・・・。」
和葉ちゃんが心配そうな顔になってる。
「どうしよう・・・・和葉ちゃん・・・。」
外の二人・・・もしかしなくても、ケンカしてるの・・・・?


『今日かてねぇちゃんに惚れたヤツはぎょうさんおんで!!それでも平気なんか?!!』
ダッ!!
『全員、池に沈めてやるぜっ!!和葉ちゃんだって、同じだろうがっ!!』
ボカッ!!
『きっちり全員始末してやるわっ!!』
バッキ〜〜〜!!


「ちょっちょっとだけ、外の様子見てみない?」
「そっそやね・・・。」
あたしらは、そ〜っと鍵を全部外して、ほんのちょっとだけドアを・・・!!!
バ――――――――――ッン!
「「 !!!  」」
「「 あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!! 」」
だっ騙された〜〜〜!!
不適な笑顔の二人がドア押さえて立ってるやん!
「ひっ卑怯やんかっ!」
「何のことや〜、なぁ工藤。」
「そっ!昼間のお返し。」
「そんなのってありなの〜〜。だったら、さっきまでの音は何なのよ〜?」
「クッションとか知恵の輪とか雑誌とか。」
「そんなら云うてたことも、全部ウソなん?」
「そんなワケあるかいっ!」
あたしと蘭ちゃんは、その場に座り込んで動けへん。


「和葉〜、覚悟は出来てるんやろな〜。」
「うっ・・・。」
「今日のこと詳し〜く説明してもらおうか、蘭。」
「うう〜〜。」
「ほな行くで、和葉。」
和葉ちゃんは服部くんに無理やり引っ張り上げられて・・・・・肩に担がれちゃった。
「ほらっ蘭も。」
って新一?えっえっ・・・・。
「ちょっ・・・ちょ〜〜平次っ!」
「なっ・・・・新一ってば・・・おっ下ろしてっ!」
和葉ちゃんもジタバタしてるんだけど、私も暴れてるんだけど・・・。
服部くんも新一も、まったく相手にしてくれない。
「和葉ちゃ〜〜〜〜ん!」
「蘭ちゃ〜〜〜〜〜ん!」
お互いに必死に手を伸ばすんだけど・・・。


「ほなな、工藤。」
「ああ。」


「いやや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

「誰か〜〜助けて〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」





彼氏たちの反撃 園子の疑問符
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