久遠 -KUON- 21
■ どうして ■

「うっ・・・・・。」
息苦しくて目が覚めた。

・・・・・・・・・・・・・。

目、開けたんやけど・・・・・・暗い。
・・・・・・・・・・・・・・・・・やけど・・・・・・・・視界の隅が明るい・・・ような・・・・・・・。
手を動かそうとしたら、よけいに苦しくなってしもた・・・・・何で・・・・・?

・・・・・・・・・・・・・誰かに抱きしめられとる・・・・・・・・・よ・・・・・う・・・・・・・・・・・・・な・・・・・・。

「  !!!!  」

一気に寝ぼけとった頭が動き出した。
慌てて離れようとしてるんやけど、右腕は抜けへんし、左腕は上から押さえられとるし・・・。
あっ足も動かせへん・・・・・・。

・・・・・・・・・なっ・・//////・・・・なんで、こんなことになってんの〜〜?

動かれへんから、顔見えへんけど・・・・・・これ・・・・・・・・・・・平次・・やん・・・・な・・・・・。

何がどうなってん???

えっえ〜〜〜と、お風呂入って、髪乾かして、二人分のココア作って、平次の部屋行って、華月が言うてたことについて話しとって、平次が黙りこんでしもて・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・そっから先の記憶があらへん・・・・・・・・・・。

やけど・・・・・・それが・・・・・どうして、今、こうなってんの・・・・・・・・・・・・・///////。

とっとにかく・・・・離れな・・・・・。
そう思うって、抜け出そうとしてるんやけど・・・・・・・・もがけばもがく程、締め付けがキツクなっとるような・・・・。
「くっ・・・・苦しい・・・・・・平次・・・・・・。」
やっとの思いで、声を出した。
「  ・・・・う・・ん ?・・・・  」
平次の寝ぼけた声がして、少し苦しさから解放されたんや。
急いで離れようとして、寝ぼけ眼の平次と目が合うた。

そっそしたらやで・・・・いきなり頭の後ろを押さえつけられて・・・・・・・!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  !!!  ・・・・・・・・・・/////////////。

「うっ・・・・・うう・・・・・・・。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!・・・・しっしっ・・・・・・し・・・・・・・舌・・・が・・・・・・・・・・・・・。

考えるより先に体が動いとった。
平次の舌を噛んで、自分の腕を力いっぱい伸ばして離れると、思いっきり平手打ちかましとったんや。
平次は一瞬何が起こったんか分からんようやった。
目見開いて、口押さえて固まっとる。
「・・・・・・・・・あんた・・・・もしかして・・・・・・寝とったん?」
あたしはきっと信じられへん・・・・って顔してたはずや。
平次はあたしの言葉が理解出来へんみたいやった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・あたし・・・・初めてやったのに・・・・・・。

涙が零れそうになった。
もう、何でこういう状況になったか、なんてどうでもよかった。
自分が平次の腕の中で寝むっとったことなんか、頭から消えとったんや。
平次に泣き顔を見られるんが悔しくて、平次を無視して自分の部屋に戻って鍵を掛けた。


・・・・・・・・・・・痛〜〜〜〜〜〜!!!
何やねん、あいつ・・・・・。
何でいきなり、殴られなあかんのや!
しかも、舌まで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・し・・た・・・?!
一気に血の気が引いた・・・。

夢やと思うとった・・・・・・そやかて、夢ん中と同じようにすぐ側に和葉がおったから・・・・・・・・・。
それにしては・・・・・・・感触がえらいリアルや・・・・と・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さっ・・最悪や。


・・・・・・・・・何なんよ!あの男!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あたし・・・・ファーストキス・・・・やったのに・・・・・・・・・・・・・最低や。

ほんまは・・・・嬉しかったのに・・・・・・・。
寝ぼけてたやなんて・・・・・・・・・しかも、いきなり・・・・・しっ・・・・・・し・・///////////。
・・・・・・・こんなん・・・・・ありえへん・・・・・。
・・・・・・・・・・・こんな・・・・こんなん・・・・・・・・・・・・嫌や・・・・・・・平次のドアホ・・・・・。
涙が止まらへん。
悔しいのか、情けないのか、悲しいのか、色んな感情がごちゃ混ぜんなっとって自分でもよう分からんかった。


慌てて和葉ん部屋に行ったんやけど、あいつドアに鍵掛けて出てけぇへん。
「おいっ!和葉!」
舌が痛うって上手くしゃべれへん。
しかも、今、何時やねん?
大声出して、おかんでも起きよったら余計ややこしゅうなるし。
「和葉!和葉!」


あたしは布団を頭から被って、平次の声を無視した。
・・・・・・・ほんまに・・・・・ほんまに・・・・・あたしのファーストキス・・・・・・・どないしてくれんの・・・・・・・・。
「う〜〜〜・・・・・ひっく・・・・・・・。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・平次のアホ・・・・・・・・・。
メチャクチャな感情の中から・・・・・・・だんだん・・・・・・怒りに似た気持ちが込み上げてきた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・平次が悪いんや!!


それっきり、和葉は部屋から出て来んかった。
・・・・・・・・・・・・。
何で・・・・・・・・・・・・・・・・・こんなことに・・・・・・・・・・・・・。
俺は今日、何度目かのこの疑問に頭抱えた。
和葉抱きしめとったら、柔らこうて、温っこうて、ええ匂いがして・・・・・気持ちようなって・・・・・・。
・・・・・・・・・・・和葉にキスする夢は・・・・・・・・今までも何度かあって・・・・・・・・・・・。
しかも・・・・・初めて触れた後やったし・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・まさか・・・・・・・・現実の和葉やったなんて・・・・・・・・・・・・。

おかんが俺を起こしに来るまで、和葉ん部屋の前で考えこんどった。


次に、和葉に会うたんは学校の教室やった。





そやなく あんたら
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