久遠 -KUON- 23
■ そうなん ■

・・・・・・・・あ〜〜・・・・・・・・あんたらも少しは気付きなや。
今のこの状況に!

「やからって、何であんたまで一緒に寝なあかんの!」
「それこそおまえのせいやで!」
「はぁ?何言うてんの?なんで、あたしのせいなんよ!!」
「おまえが抱き付いてきたんやないかい!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・あんたら・・・・・・・・昨日・・・・・・何やってたん・・・・・・・・・・・・・?

って、・・・・・あかんやろ・・・・・ここ学校やって・・・・・・・。
何とか声だけでも掛けたいんやけど・・・・。
何本の手がうちの口塞いでんの?
「う〜う"〜う〜〜〜!」
止められへんから、今度こそ和葉が振り返って服部くんを睨み付けたやん。

「ええ加減なこと言わんといてや!!」
「ほんまなんやから仕方ないやんけ!おまえが離さへんかったんやで!」
「嘘や!!」
「嘘やない!」

和葉は真っ赤になって、また早足で歩き出した。
・・・・・・・・・それで何で、この周りの雰囲気に気付かへんの〜〜?
『なぁなぁ、もしかして、あの二人って一緒に住んでんの?』
『やっぱ、あんたもそう思う?』
『今の聞いてたら、そうとしか思えんよなぁ。』
・・・・・もう、フォロー出来へんよ・・・・・・。

「ちょう待ってって!!」
「嫌や!」
「ええから来い!!」
「ちょっ・・・・!」

服部くんが和葉の腕を再度掴んで、階段を上がって行く。
屋上へ行くんやな。
・・・・・・・・遅いっちゅうねん・・・・。
その後をぞろぞろとクラス+αで大移動やで・・・・。
階段は満員電車並みやね。
屋上に着いてからも、うちらはドアの内側で皆息を殺して聞き耳立ててんねん。
うちは不可抗力やで!

「言いたいことがあるんやったら、はっきり言えや!」
「・・・・・・・・・・・。」
「和葉!!」
「・・・・・何でなん?・・・・・何であんなことしたん?・・・・・・・」

『あんなことって何やろ?』
『それより、あの二人って付き合ってるん?』
『えっ!そうなん!?』
『いやっ、まだ幼馴染やって言うてたで。』
『ちょっとどうなってんの?華月?』
「・・・・・・・・・・・。」
黙秘権ってあるんかな?

「あっ・・・あれは・・・・。」
「平次あの時、寝てたやろ!」
「そっ・・・。」
「寝ぼけてあんなことせんといて!!あたし・・・・・あたし初めてやったのに・・・・・。」
「・・・・・ちゃう・・・・・。」
「はぁ?」
「あれが始めてとちゃう。その前に・・・・。」
「?」

『えっえっえっ?』
『何のことやと思う?やっぱアレ?』
『う〜ん?まぁ、せいぜいキスやろ?』
『せやなぁ、あの二人やもんなぁ。』
『そうなん?』
「・・・・・・・・・・・。」
うちに聞かんとって・・・・。
皆の視線がまた外に向けられた。

「寝てるおまえに・・・・・した・・・・・・。」
「!!」
「そやから、あれは初めて・・・・や・・ない・・・・・。」
「・・・・・・・・それも・・・・・・あかんやん・・・・・・。」

『それは、あかんやろ。』
『そやね。寝込み襲うたらあかんわ。』
『やけど、あの和葉の寝顔やで、服部くんの気持ちも分からんでもないわ。』
『う〜〜〜ん。』
皆、納得しとるし・・・・。

「・・・・やって・・・・それもあたし知らへんもん・・・・それに・・・それに平次から何も言われてへん・・・・。」
「おまえ昨日、ええって言うたやないか!」
「?・・・・・・・あっ・・・・・・・あれは華月が言うたことにや!」
「同じことやんか!」

皆の視線が一斉にうちに集まったんが分かる。
好奇心いっぱいの視線は結構痛いんやなぁ・・・・・って実質的にも痛いで。
掴んどる腕に力入れるんやない!
和葉〜〜〜〜うち絶対言わへんからな〜〜〜〜。
黙秘権や黙秘権!
・・・・・・・・・・やけど・・・・あんたらが口走るのまでは責任もてへんよ。

「同じやない!!」
「・・・・・・・・・・・・。」
「同じやないよ平次・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」





あんたら あのぼけ
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