ROUND 4 「 Error 」 |
「今度は何や怒ってるわ・・・・・・。」 あの教室で墓穴掘った日から、平次の態度がおかしい・・・・。 今度はどうも怒っているようなんやけど・・・・・・何でなんやろ? あたし何かしたんやろか? 「和葉〜〜!今日はちゃんと着替え持って来たんやろね!」 めちゃめちゃ元気のええ華月の声が、あたしを現実に引っ張り戻した。 「一応、持っては来たけど・・・・・。」 昨夜メールで、 『明日は昼で終わりやから、どっか遊びに行こ!(^―^)可愛い服持って来てな!』 と言われてたんや。 「よしよし!今日は初のダブルデートなんやから、可愛いカッコせなな!」 「へっ?」 あたしは文字通り目が点になってもうた。 今・・・・・ダブルデートって聞こえたんやけど・・・・・・・・。 頭ん中飛んでしもて、華月のその一言に教室中が聞き耳を立ててるなん気付く余裕も無い。 「昼ごろに向えに来てくれるはずやから。」 「・・・・・・・・・・誰が?」 「誰って、いややなぁ〜和葉!そんなん決まってるやんかぁ〜!」 「きっ・・・・うぐっ・・・・。」 華月に口押さえられて、 「ええか和葉。服部くんを試すんやろ?やったら、この前言うたようにうちに任せとき。」 って小声で言われてもうた。 そう言えば・・・・何や言うてたのは覚えてるんやけど・・・・・なんやったっけ? ニコニコと肩をポンポンって叩く華月の・・・・そん笑顔は怖い・・・・・。 あたしは思わずコクコクと頷いてしもたやん。 これが・・・平次の機嫌をさらに損ねるなん・・・・・・・あたしが知るわけないやん。 そして、問題のお昼はあっという間にやってきたんや。 「和葉!和葉!来た来た!早よ行こ!!」 教室の窓から外を見ていた華月が急にハシャギだした。 あたしも思わず校門の方を見てまう。 一人は華月の恋人や、もう一人は・・・。 「あっ!!あれって!!」 間違いない。 あの独特の雰囲気。 しかも、通り過ぎる子が振り返ってまで見てる。 沖田くんや! 「沖田・・・・なんでアイツがこんなトコにおんねん・・・・。」 平次があたしの隣に来てるのにびっくりした。 しかも、さらに機嫌が悪なってるような・・・・やってめちゃ声低いんやけど・・・・。 「和葉迎えに来たに決まってるやんか!」 さらに華月の発言にびっくりや。 「なんやとぉ〜〜〜!!」 あっ・・・・平次も驚いてるみたいや。 「これから、うちらダブルデートやねんで!ええやろ〜〜!!」 かっ・・・・かづき〜〜〜〜。 『あれって泉心の沖田やで。』 『剣道で服部とええ勝負してるヤツやんなぁ。』 『あの人カッコええんちゃう!!』 『やったら彼が和葉のスキな人なん?』 うっ。 気付いたら窓辺にクラス中が鈴生りやんか・・・・・いつのまに。 「和葉!いつまでも待たせたらあかんやん!ほなっ服部くん、和葉借りるな〜〜!」 平次が何か言う前に、あたしは華月に引き摺られて教室を出るはめになったんや。 「ちょっと華月!どういうことなん?何で沖田くんが・・・。」 「和葉の相手なんやから、あの服部くんにヤキモチ焼かせるくらいの男やないとあかんやん。それには総ちゃん、適役やと思うんやけど。」 「ええ〜〜!!いくら沖田くんが華月の従兄妹やからって・・・・そんなんええん?」 「かまへん!かまへん!総ちゃんも和葉とデート出来るいうて喜んでたんやし!」 「ほんまなん?それ?無理矢理頼み込んだんちゃうん?」 「ほんまやて!それに、さっきの服部くんの驚き方みたやろ。やっぱ、総ちゃんに頼んで正解やったわ!」 華月にしてやられた・・・・・って思うても遅かった。 校門とこで沖田くんらと合流して、ちらっと教室を振り返ったら、そこにはまだぎょうさんこっち見てるクラスメイトがおった。 けど、そん中に平次の姿は無かったようやった。 「和葉ちゃん、久しぶりやね。」 「ほんまやね。華月ん家に泊まりに行った時以来やから・・・半年ぶりやろか。そやけど、よかったん?華月、無理矢理頼んだんちゃうの?」 「何言うてんねん。和葉ちゃんが困ってるんやったら、いつでも呼んでなって言うたやんかぁ。」 「なっ!うちが言うた通りやろ。総ちゃん、和葉のこと気に入ってるんやから。なっ。」 「そやで和葉ちゃん。服部に愛想尽かしたんやったら、オレんトコにお出でや。」 「ははは・・・・・・そん時は頼みます・・・・・・。」 「そん時なん言わんと、今すぐでもええのに〜。」 沖田くんて人懐っこくてええ人やねん。 平次と違うていっぱい気ぃ使ってくれるし、女の子の扱いにも慣れてるみたいやし。 それから、あたしと華月は華月の今居候してるお爺さんの家で着替えさせてもろてから、遊びに出かけた。 買い物したり、ゲームしたり、ほんまめちゃめちゃ楽しかった。 今日はお父ちゃんが帰って来ぃへん日やからみんなで夕ご飯も食べて、家まで送る言う沖田くんの申し出をなんとか断って玄関まで辿り着いたんは9時を回ったころやった。 そんで鍵開けて中に入ろうとしたんやけど・・・。 「あれっ?」 鍵は掛かってなかった。 お父ちゃんが帰って来たんやろかと思ってドアを開けたら・・・・・。 「えらい遅かったやんけ。」 超仏頂面の平次が玄関に腕組みして座ってたんや。 |