ROUND 8 「 Trick 」 |
「泣いてるん?」 平次が泣くなん信じられへん・・・・。 やって、あの平次やで・・・・・・あの平次があたしのことで泣くなんて・・・・・・・。 答えへん平次の変わりに、その頬にそっと触れてみた。 「やっぱ泣いてるやん。」 「お前かて泣いてるやんか。」 「そやね・・・。」 「会いたかったんや。声が聞きたかったんや。触れたかったんや。抱きしめたかったんや。 そんで・・・。」 優しく触れた唇。 「キスしたかったんやから、しゃーないやんけ。」 平次の口からこんな言葉が出てくるやなん・・・・・ほんま夢見てるようや。 「あたしだけが・・・そう想うてたんやなかったんやね。」 「俺だけが、そう想うてたんでもなかったんやな。」 あたしらはお互いに想うてたんや・・・・・・同じように。 自然と笑みが溢れてきた。 「あたしも平次んこと・・・・・・・・。」 平次ん顔が近すぎて///////////。 両手で平次ん顔を隠した。 「・・・・・すき。」 「あ・か・ん。やり直しや。」 両手を平次に捕まえられてしもた。 しかも・・・・・平次ん顔が・・・・・・さっきよりも近いやん。 「す////////すっ//////////す///////////////。」 「”す”しか聞こえへんで〜。和葉ちゃん?」 「すきっ!」 「ぶ〜〜〜!目〜瞑ったらあかんで。」 「え〜〜〜・・・・・・・・・・・。」 は・・・・・恥ずかし過ぎや・・・・・・・こんなん・・・・・//////////。 「ちゃんと聞いたるから。」 そんな優しい顔されたら・・・・・・。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・す んんっ 。」 ・・・・・・・・・・・・やっと勇気出して言おう思たのに・・・・・・・・・・。 平次にキスされて言われへんようになってしもた。 「すまん。すまん。そやけど、誘うたんはお前やで。そんなに唇突き出されたらなぁ〜。」 「なっ!何言うてんの!そんなんちゃう!あっあたしは、す ん〜〜〜〜 んんん 。」 またや///////。 絶対わざとや! 「やから、そんなに誘うなて。」 あたしが真っ赤になるん見て楽しんでるみたいや。 「今日の平次・・・・・・・変・・・・やで・・・。」 「変って何やねん。失礼なやっちゃ。まぁ、ええ。一晩中ゆ〜〜くりと俺がどんだけ和葉んこと想うてるか教えたる。」 へっ?一晩中?教える?何を? あたしは顔中に”?”を出していたらしい。 「ほんま・・・・くく・・・・・・お前はどんだけ鈍いねん・・・・・くくく・・・・・・。」 何なんよもう・・・・。 「お前ん泊まるトコ、俺ん部屋以外に無いで・・・・・・・・・・・そうやろが木更津。」 えっ?!!!!華月? ??? 「やっぱバレてた?」 「よう言うで。隠れる気ぃも無かったんやろが。」 「そうなんやけど。一応、これでも気ぃ使うてたんやで。」 「まったく気付いてへんのは、和葉くらいや。」 えっえっえっ???ほんまに華月や。 「何でここに華月がおんの?!!!足は?捻挫は?」 「流石や和葉。ナイスな天然。」 「華月?」 「うち言うたやん。この勝負、絶対和葉に勝たせたるて。」 「・・・・・。」 「服部くんが先に告ったんやから、和葉ん勝ちや。」 「はぁ?何言うてんのや?」 「あんたがいつまでもはっきりせ〜へんからやで。うちに感謝しぃや。」 「何でお前に感謝せなあかんねん。沖田までダシに使いおってからに。」 「大変やったんやでぇ。総ちゃんにセリフ叩き込むんも、諸羽ちゃんを説得するんも。まぁ、楽しかったんも事実やけどな。」 ??? セリフ? モロハちゃん・・・・て誰? 「それと服部くんの言う通り和葉の泊まるトコは無いから。荷物はここに置いとくな。」 「ちょ・・・ちょっと華月?!」 「そうそう、それと蘭ちゃんやったらおらへんよ。工藤くんと旅行に行く言うてたから。今頃はロサンゼルやない。」 「ええ〜〜〜〜!」 「そやけど服部くん。明日も合同練習あるんやから、和葉、ちゃんと連れて来てや。」 華月のそん言葉に平次はあたしん顔をちらっと見て、 「それは保障出来へんな。」 なん笑いながら答えとるやん。 「あんたなぁ・・・・・・。もう、ええわ。好きにしぃ。和葉もがんばりや。」 「華月!ちょっと待って〜〜な華月!」 慌てて華月んこと追いかけようとしたんやけど、平次にしっかり捕まえられてて動けへん・・・。 「ほな、俺らも帰るで。」 「帰るって・・・・・どこに?」 「・・・・・・・・お前・・・・・・・・ほんまに・・・。」 「・・・・んんんん・・・・んん〜〜・・・・・・・。」 なんで? なんでこの会話でキスになるん? 「あかん!がまん出来へん・・・・早帰って続きすんで和葉!」 何がどうなってんのぉ〜? さっぱり分からへん・・・・・・。 あたしは”???”を撒き散らしたまんま、平次に引き摺られて東都大を後にした。 |