― 祝!heiwa本誌登場小噺リベンジ!part4 ―
■ どんっ! ■ ★★★★★


あ〜あ。
あたしと蘭ちゃんは机に突っ伏して、意気消沈。
分かっとったコトやけど、目の前に広がるこの光景は流石にちょっとキツイかも。
やってなぁ〜、ハーレムやん、これ。
「あのなぁ〜、この忙しい俺様がわざわざ連れて来てやったのに、なんだよその態度は?」
「「・・・・・・・」」
「あいつらが女共に囲まれてるのなんか、いつもの事なんだろ?」
「「・・・・・・・」」
「お前らがあいつらのオンナなんだったら、胸張ってりゃいいだろ?それにその逞しい腕や足だったら、簡単に蹴散らせるじゃんか」
「「・・・・・・・」」
これは慰めてくれてるん、よね?
優しいやん、アホやけど。
「もうすぐ講義が終わるぜ」
あたしらはゆっくりと体を起こして、お互いに苦笑い。
「気ぃ抜いてんなよ。これからが本番なんだからな」
アホは意味不明なコトを言って、
「お前らにはキツイかもしれないが、これがあいつらの日常だ」
と深刻な顔で付け足した。
その意味がなんとなく理解出来て、あたしと蘭ちゃんはコクッと息を飲み込みその時に備えた。
講義の終わりを告げるベルと教授の挨拶が終わると同時に、その凄まじい光景はあたしらの目の前で展開され始めた。
それは池に居る鯉に餌を投げ込んだ時の情景に似てる。
女の子達が一斉に、平次と工藤くん目指して集まりだしたからや。
『工藤く〜ん一緒にお昼食べない?』
『私分からない箇所があるの、服部くん教えてくれるでしょ?』
『これ作って来たから食べて』
『今日これから予定ある?私達と一緒に遊びに行かない?』
工藤くん、工藤くん、服部くん、服部くん、工藤くん、服部くん、服部くん、工藤くん、服部くん・・・
エンドレスやん。
予想しとったとは言え、この状況はほんまにキツイ。
「相変わらず凄い人気だね、服部くん」
「工藤くんなん、押し潰されて見えへんやん」
少しだけ責任転嫁したくて口に出してしもたけど、それに蘭ちゃんもあたしも揃って自滅。
あたしら何やってるんやろ。
「帰ろう、蘭ちゃん」
「そう・・・だね」
あたしらは来た時とは真逆のテンションで、ゆら〜と立ち上がったのに、

「服部!!工藤!!」

突然、アホがびっくりするような大声で、平次と工藤くんの名前を叫んだ。





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祝!heiwa本誌登場小噺リベンジ!part4 ★★★★★ 
このアホは役に立つのか?それともただのアホなのか?
by phantom



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