― 祝!heiwa本誌登場小噺リベンジ!part4 ― | |||||
■ どんっ! ■ ★★★★★★ | |||||
あたしらはほんまにびっくりして、唖然とアホを見詰めてしもた。 やのに、 「こっちだ!こっち!」 と更に大声出して、手ぇまで振っとる。 その仕草に自然と顔は、この手の振られている先に向いてた。 遥か彼方の女の子らの中心に居る小っこい平次と、視線が合う。 蘭ちゃんもきっと同じや。 工藤くんもしっかりこっちを見とるから。 一瞬目を見開いてから、2人の行動は素早かったわ。 あっちゅうまに女の子らの群集掻き分けて、あたしらの目の前まで来たんやから。 「何しとんねん?!」 「服部の部屋で待ってろって言っただろ?!」 で、最初にあたらしに投げ掛けられた言葉がこれや。 何でそれやの? 何であたしら叱られなあかんの? 脇目も振らずに電光石火であたしらのトコまで来てくれたんは嬉しいんやけど、これは無いやろ。 あたしと蘭ちゃんの下がりまくっとったテンションは、一挙に違う方向に向ってしもた。 「別にええやん。あたしが何しようと勝手やんか」 「せっかく向えに来てあげたのに、そんな言い方しなくてもいいじゃない!」 あたしらはお互いの相手を睨み付けて、そう言い返してやった。 そしたら、 「おいおい。行き成りそれかよ」 はぁ〜って溜息が横から聞こえた。 「こらっ、密貞!なんでお前が和葉らと一緒に居んねん?」 それに対してすかさず平次のツッコミが入る。 「昨日あれ程忠告したったやろが。それとも何か?俺に喧嘩売ってるんやったら、きっちり買うったてもええで」 しかも平次がアホの胸座掴もうとすから、あたしは慌てて間に入った。 「ちょ〜待ちぃな平次!」 「和葉は黙っとれ」 「違うんやって!あたしが誘ったの!!」 ピタッと動きの止まった平次は、 「はぁ?」 とその視線をやっとあたしに下ろしてくれた。 「あたしと蘭ちゃんとで頼んで、章ちゃんに付き合うてもろたんや」 「・・・・・・章ちゃん・・・やと?」 平次がまた横目でギロッとアホを睨んだ。 「そ、そうだ。俺はこいつらに言われてだな・・・」 言い掛けて工藤くんにまで睨まれ、アホは瞬間冷凍状態に。 ああ〜、カチンコチンやん。 「本当なのか、蘭?」 「そうよ。章吾くんが居なかったら、私たちだけでここまで来れないもの」 「・・・・・・章吾・・くん?」 工藤くんの視線に平次並みの殺気が篭る。 アホは蛇に睨まれたカエルみたいに、顔から大量の冷や汗流し出したわ。 気の毒に。 1匹でも敵に回したら恐いのに、こんな蛇2匹も同時に敵にしてしもたらそらぁビビルわな、普通。 平次の敵はあたしの敵やてさっき言うたけど、この場合は違うし助けてあげなあかんやろ。 そう思うて、 「章ちゃんはあたしらの買い物にも付き合うてくれたし、ここまで連れて来てくれたんやから、平次もちゃんとお礼言うてや」 とアホの腕掴んで言うてみた。 「・・・・・・・」 「平次!」 「・・・・・・そら、おおきに」 って何やのそれ? そんな目付きの悪い顔で言うても意味無いやんか。 隣ではこれまたぶっきら棒な工藤くんの声がする。 「蘭が迷惑掛けて悪かったな」 ああ〜、こっちもごっつう悪人顔のままやん。 「で?ほんまに何しに来たんや和葉?」 「蘭も、ただ迎えに来た訳じゃぁねぇんだろ?」 「「・・・・・・・」」 せめてあたしらには、その顔止めようや。 |
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祝!heiwa本誌登場小噺リベンジ!part4 ★★★★★★ なにかのこアホ気の毒になってきた・・・はは・・・ by phantom
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