― 祝!heiwa本誌登場小噺リベンジ!part4 ―
■ どんっ! ■ ★★★★★★★


「顔。恐いで」
「うっさい。生まれ付きや」
さいでっか。
「何でそんな言い方するの?」
「蘭がオレの言付けを守らねぇからだろ」
こっちも、さいでっか。
あたしらそんなに悪いコトしてへんと思うんやけど?
やっぱこの現状を見られたくなかったんやろな。
ハーレムやんもんなぁ〜、ハーレム。
そう思うて視線を平次がずらすと、
「ひっ・・・」
興味津々、そんで敵意の篭った顔、顔、顔。
嫉妬心丸出しの女の子らが、あたしらの周りを取り囲んどった。
平次らの怒った顔なんまったく恐ないけど、これは、いくらなんでも恐すぎる。
「と・・とにかくここ出ぇへん・・・」
あたしが強張る顔を何とか普通に保ってそう言うたのに、
「まだ俺の質問に答えてへんで」
と相変わらずの仏頂面。
こらあかん、て思うて今度は蘭ちゃんの腕を引っ張ってみた。
こっちを向いた口をへの字にしてる蘭ちゃんに、視線で回りの現状をそれとなく示す。
「っ・・・」
現状に気付いた蘭ちゃんの顔も、一挙に青ざめていった。
『恐いやろ?』
声に出さずにそう訴えると、コクコクと頷いてくれる。

「な〜に2人でこそこそやっとんねん」
「言いたいコトが有るならはっきり言えばいいだろう」

ハーレムに慣れきっとるこの2人にはこの状況も何でも無いんやろうけど、あたしら普通の一般市民やからビビリまくりなんですけど。
いくらあたしと蘭ちゃんが多少腕に自信があったかて、こんな恐い顔した集団相手に出来へん。
はっきり言わんでも、無理です、無理。
『逃げよ』
声を出さずに口だけ動かすと、再びコクコク頷いてくれた。
次に未だ固まったままのアホに、
「章ちゃん!次の目的地に向って!」
と叫ぶと同時にその体をドアに向って押し出した。
一瞬びっくり顔したアホやけど、すぐに納得した様に頷いて走り出す。
あたしらもお互いに頷き合って、素早くそれに続いた。

「こらっ!どこ行くねん和葉!!」
「逃がさねぇぜ蘭!!」

あたしらと平次らとの間には固定された机があったから、ほんの少しやろうけど逃げる時間は出来るとふんでの行動や。
思った通り2人がドアを開くまでにあたしらは、近くの階段まで辿り着けた。
そのまま一気に章ちゃんが階段を飛び降りたから、あたしも蘭ちゃんもそれに続く。
後ろからは平次らの足音が・・・
ち・・ちゃうやん・・・この地響きは・・・
走りながらもチラッて振り返って、それを確認する。
ああ〜〜〜ん!!
なんでハーレムまで付いて来るんよ〜〜〜!!
あんたらはアイドルの追っ掛けかいっ!!
凄い形相で走って来る平次と工藤くんの後ろに、雌ばっかりの猛牛の群れが2人に必死で追い付こうと凄い格好で形振り構わずに突進して来てるやん!
恐い!ほんまに恐過ぎるであんたら!
従ってあたしらの走る速度は更に加速する。
これはもう動物の逃走本能や。
って思うたんやけど、
「きゃっ!!」
「捕まえたで和葉!」
「あっ!!」
「俺から逃げようなんざ百年早いぜ蘭!」
とあっさり捕獲されてしもた。
けどあたしも蘭ちゃんも腕を捕まれただけで、走る速度はそれほど落ちてへん。
つまりは平次らも、一緒に走ってるってことや。
「どこに行く気やねん?」
「は、犯罪心理学研究会・・」
「犯研?何でや?」
「そこも・・・見たかったんやもん・・」
全力で走りながらの会話は苦しい。
平次はちょこっと考える顔してから、
「ほな、俺らはこっちから行くで。工藤!お前はそのまま行け!」
と叫ぶとあたしの腕を急に横に引っ張った。
「分かった!追い付かれんじゃね〜ぞ服部!」
って聞こえる工藤くんの返事に、
「お前もな!」
と返して平次はあたしを連れたまま外に走り出した。





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祝!heiwa本誌登場小噺リベンジ!part4 ★★★★★★★ 
なんだか黒い星が鬱陶しくなって参りました。わはは・・・・・
by phantom



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