おばちゃん家に着いてからも、知った顔に会う度にあたしらは散々冷やかされた。
それやのに平次は照れながらもそれらを更に煽るから、逆に合わせるあたしは大変や。
やって、
「和葉はもう俺のもんやから。」
って言いまくるんやんもん。

あ〜あ、本物の平次がこのこと知ったら、泡吹いて倒れるんちゃう?

その姿を想像したら、思いの他可笑しゅうて笑えたんやけど。
それをニセモノ平次には悟られんように、エンジェルスマイルで可愛い恋人を演じきるあたし。
役者やわぁ。

そやけど、これが以外にしんどかってん。

そんなこんなでおばちゃん家の手伝いを滞り無く終わらせて、いざ帰ろうってころには午後9時を回とった。
「どないする和葉?こないな時間やし、今晩はうちに泊まってく?」
「そうやなぁ・・」
「あっ、それなら心配いらへんで。」
・・・・・・・・。
この平次があたしの言葉を遮って言い出すことは、碌なことやないねん。

今度は何なん?

「和葉は俺ん部屋に泊まらすよって、大丈夫や。」
「・・・・・・・」
「そ・・・そうやったね。ほな、平ちゃん和葉んことよろしゅうな。」
「まかせてんか。」

何を任せるん?

平次の顔を見ると、当然やと言わんばかりにニコニコしとる。
ああ〜、愚問やったわ。
あたしら恋人やってんな、お泊り当たり前なんやね。

ええんかな?

またまたあたしが悩んでる間に、すたこら歩く平次に半ば引き摺られる様にして、あたしは平次の部屋に連れて来られてしもた。
そやけど、ここに来るんは久しぶりやわ。
前に来たんは・・・いつやったっけ?
確か・・・1年くらい前やったような?
そん時とあんまし代わり映えしてへん部屋を見回してると、
「お前先に風呂入るか?」
って声が聞こえてきた。

お風呂?

あたしがキョトンとしてると、今度は、
「俺が先やったか?」
って聞こえてきた。

あたしは平次の部屋に来たんがほんまに久しぶりで、感傷に浸ってたから一瞬意味が分からへんかった。

「そっ・・・それとも・・・いっ・・一緒に///////やったか?」

あ”っ!!

そやったっ!!

究極の勘違いしてたんやった!!

照れて頭掻きながらも嬉そうにこっち見てる平次に、あたしは思わず顔が引き攣って身構えてしもた。
合気の構えをとっさにしてしもた。
もうちょい平次が近くに居ったら、絶対投げ飛ばしとったわ。
やって。

擬似恋愛も恋愛ごっこもええけど、これはあかんやろ?

こっから先は遊びの範疇を越えてまうやろ?

ちゅうか〜あんた何も覚えて無いんやったら、いきなりこれは無いやろ?

もっかい始めっから恋愛やり直そう思うんが普通やろ?

それとも何かい?

あんたの頭の中にはそれしか無いんかい?

そう言えば昼間っからホテル見てたし、そもそも、あたしらにそんな関係があるなん思うんがオカシイやんか?

平次って・・・・・むっつりスケベやったんやろか?

「 へっ?! 」

1人クエスチョンマークのオンパレードやっとったあたしは、平次の突然の行動にさらに???を撒き散らした。
やって。

いきなりキスされたんやから。
しかも、そのままベットに押し倒されてしもてたし。

お風呂はどこいったんっ?!

ってアホなこと思うてる間に、あたしの服は脱がされていった。


これって・・・ええの?





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