「ふぁぁぁ〜〜〜〜」
んん・・・・・・・・・もう朝ぁ・・・
チュンチュン何か鳴いてるしぃ、きっとまだ早いはずや・・・もう少し寝よ・・

「和葉!和葉!和葉!」

ふぁ〜カズハて鳴く鳥もおるんにゃ・・・ふぁ・・・

「和葉!か〜ず〜は〜!」

ったく・・・煩い鳥やなぁ・・・

「おいっ!いつまで寝てんねん!さっさと起きんかいっ!」

うるさい!
あたしは昨日なかなか寝れへんで、眠いねん!

「お天とはんはとっくに出てんで!」

鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス・・・
鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス・・・
鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス・・・

なんで朝から三大将軍のお言葉が・・・
そやけど・・・今のあたしやったら

鳴いたなら 焼いて食べよう 塩ねぎま・・・

これやな。
まったく・・・
うっさい鳥は焼き鳥の刑やで。

「目ぇ開けんかいっ!」

体が浮いた思うたら、今度は首が前後左右にガクンガクン。
「うげっ・・」
「起きたか?」
ふらふらする頭のまま、なんとか薄めを開けたら目の前度アップで黒い物体。
「あ・・もう焼けてる・・頂きま〜す」
でカプッてその焦げた物体に齧り付いた。
「イタッ!こらっ!寝ぼけんな!!」
マズ〜イ・・・・もう1口
と口を開けたら、今度は柔らかいモン口いっぱいに押し込まれてしもた。
うん?
おいしい・・・
美味しいモンを食べると自然と顔は、ほころぶもんや。
「な〜にパン咥えてニヤケとるんじゃ!さっさと起きろや!」
「・・・・・・」
「こらっ!パン咥えたまま寝るな!!和葉!!」
「・・・・・・」
「ったく。こうなったら強硬手段で行くで」
未だ半分寝てる頭でどうするんやろ?
て思うてたら、突然パジャマのボタンが弾け飛んだ。
ビリッて激しく耳障りな音たてて。
「・・・・・・!!」
更にビリビリ言うてるし・・・あたしのお気に入りなんに〜〜〜〜!!
「こんボケがぁ〜〜〜〜〜!!!!」
言うて起き上がるのと同時に平次に頭突きかましたったわ。
そやけど、
「うううぅううぅぅぅ〜〜〜」
痛い。
激しく痛い。
一気に目ぇは覚めたけど、今度はあまりの頭痛に結局そのまままたベットに寝転がってしもた。

「か・・かずは・・・」
平次も頭抱えて唸ってるんか、声がさっきより弱弱しい。
「前にも言うたけど・・・う〜・・・手加減してくれ・・頼むから・・・」
あれ?
「あっ!」
あたしは今度こそほんまにガバッて起き上がって、
「平次?あたしの平次やんな?」
無言で頭抱えたまま頷いてる。
「なんで?ローテーションから言うて、今日は朝からあたしの平次のはずやん?それが何でさっきまでホンモンやったんよ?」
「・・・それは・・・やな〜」
あたしの平次の話しによると、昨日の夜それこも寝る直前に入れ替わってしもたらしい。
しかも、その時も頭が痛かった言うてるから、きっとホンモンが自分で自分に頭突きかましたんや。

そやけど・・・・・・・・・何で?

「今日・・・何か約束してたっけ?」
「してへん」
「やったら、何かまだ行事みたいなモンでもあるん?」
「何もない」

心成しかあたしの平次の声が不機嫌になっていってへん?

「どしたん?そんなに頭痛いん?ヒエピタでも持って来ようか?」
「・・・・・・」
ジト目で睨まれてしもた。
はは・・・
しかも更に溜息までつかれてしもたし。
「ほんまに分からへんのか?」
「何が?」
「はぁ〜・・・」
うわっ!今度は露骨に大きな溜息。
ホンモンならいざ知らず、あたしの平次にコレされると流石にあたしがアホコちゃんに思えるや〜ん。
え〜と?え〜と?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・分からへん・・・?
「あいつは和葉が好きなんや」
「・・・そう・・みたいやね・・・」
それがどうしたんやろ?
「・・・和葉の天然もここまで来るとある意味犯罪やな」
「て・・天然・・・」
あたし・・・天然ちゃんやったんや・・・
知らんかったわ。

「ああ〜もう〜ええ加減気付いてくれや・・・あいつは俺にさえ和葉に触れさせたく無いんやて!」

え?
「あいつは独占欲の塊や。まぁ、和葉に限ってのコトみたいやけどな」
「・・・・・・」
「その為なら、何やってする気やで。自分に傷を付けてでも、俺を和葉に会わせんようにするつもりみたいしやしな」
「そんな・・・」

そんなコト言われても・・・

あたしは改めて平次の顔をマジマジと見る。
やっぱ平次やん。

平次が平次をあたしを触れせるのが嫌で、どんなコトをしてでも平次が平次をあたしに会わせへんようにする?
ニコイチなんに?

「和葉。何考える人ポーズで固まってんのや?」
「やって〜それってどう考えても、無理やん」
「どうしてや?」
「やって、あたしの平次の時にホンモンやったら、あたしが頭突きかましたらええだけやし」
「・・・・・・」
「特に問題無いやん」
「・・・・・・流石・・・天然・・・」
また言われてしもた。

そうなんかなぁ?
あたしの考えってそんなに天然なんかなぁ?

「あいつがもし・・・俺のことを消そうとしたら、どうすんのや?」
呆けていたあたしに平次のどこな淋しいそうな声は、ダイレクトに届いた。

あたしの平次が消える?

「絶対にいやや!」
あたしの平次が消えるなんてコト、そんなん今更考えられへん。
「そんなんあたしが絶対にさせへん!」
いくらホンモンでもあたしの平次を消すなん、絶対に許せへんわ。

やって、あたしが・・・あたしがほんまに好きなんはあんたなんやから!

あたしが両手を握り締めて斜め上を睨み見上げると、またまた大きな溜息が聞こえてきた。
「ちょっと〜。何でそこで為息なんよ〜」
すると平次はゆっくりと視線をあたしに戻し、
「安心したんや」
ってあたしの心臓がドキンッ!て刎ねるような優しい笑顔を見せてくれた。
「和葉は元々あいつが好きやったんやし・・・俺が居らんようになってもあいつが居ったらそれでええかも・・」
「違うっ!!」
あたしの平次がまだ少し不安そうな表情を残してあたしを見る。
「それは絶対にちゃう!あたしはあんたがええの!!あたしはあんたが居るから結婚したんよ!やって、”あたしの平次”はあんたやもん!」
そうやろ?
あたしを平次の恋人にしてくれたんは、あんたなんやから。
「おおきに和葉」

ああ〜もう〜〜この表情たまらんわ〜〜〜〜〜襲おう!

あたしはベットから飛び降りて、あたしの平次に抱き付いて強引にキスをした。
上から抑え付けるみたいに無我夢中でキスしたもんやから、あたしの平次は支えきれずに後ろにゴンッ!て  倒れてしもたわ。

ゴンッ?

あ”・・・


もしかして・・・・・・また・・・やってしもた?





triangle 18 triangle20
novel top triangle top material by Harmony