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「 CROW - glance around- 」 9 |
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■ 元彼って何やねん! ■ ⑦ (その19~20) | ||||
和葉と裕希が出て行ったドアから、ある人物がふらりと外へ出て行こうとしている。 華月はその人物に気付かれない様に、違うドアから春希と会場を抜け出した。 その人物はゆっくりと窓辺で風にあったている2人に近付いて行く。 そして・・・。 「ちょう待ちや。」 彼女の手首は華月に、捕まえられていた。 その手に握られているのは、小型のナイフ。 華月は左手でそのナイフを抜き取り、疑問を投げかける。 「なんでこんな事すんの?社長秘書の山下美紀さん。」 山下美紀は、華月によく似た聡明な顔立ちの女性だった。 美紀は、華月に腕を捕まれたままその場に屑折れてしまった。 その様子を裕希と春希は呆然と見詰めているだけ。 どちらも信じられないと言った感じだ。 「裕希殺してあんたに何かええことでもあるん?」 和葉は優しく語りかけた。 「ごめんなさい・・・・・・ご・・・・ごめんなさい・・・・・。」 美紀はただ謝るだけ。 華月は掴んでいた腕を開放しながら、 「謝って済むことちゃうけど・・・・・・・あんたの事情はだいたい分かってるから。」 と声をかけた。 すると美紀はビクッと体を震わせ、ポケットからもう1本のナイフを取り出し自分の首に。 和葉が慌ててそれを止めようとナイフの刃を掴む。 「くっ・・・。」 掴んだ手からは血が流れ出した。 「甘えるんもええ加減にしや!」 今度そこ完全に美紀の腕をねじ上げた華月。 「和葉、大丈夫?」 「こんなん大したことない。」 和葉の右手は真っ赤に染まっていく。 美紀は和葉のその手を見て、青い顔をさらに青くした。 「あんたがやろうとしたことは、これよりもっと酷いことなんやで。」 「あっ・・・・あっ・・・・・・・わぁぁぁぁ・・・・・。」 美紀はとうとう泣き崩れてしまった。 「和葉。手かせ。」 それまで、ただそんな3人の様子を見ていた裕希が和葉の真っ赤な手を自分のチーフで包んでいく。 「無茶するんは相変わらずやな・・・。」 「そう?」 「そうや。」 少し怒った顔で答え、応急処置代わりにキツク縛った。 「いっ・・痛いて裕希。」 「こんくらい我慢しや。どうせ、すぐには医務室行かへんやろ。」 図星をさされ、上目遣いで睨み上げてる。 が・・・・・。 今度は顔を真っ赤にした。 裕希が和葉の手から流れ出した血を腕に沿って舐めたからだ。 「 なにさらとんじゃ~~~!! 」 言わずと知れた平次の怒号である。 「あ~~あ、やっぱあの2人やとあかんかったか・・・。」 華月は平次と冬樹の足止めを部下の刑事くんたちに無理矢理命令していたのだ。 気の毒な若者たちはどうなったんだろう・・・。 平次はずかずかと2人に近付くと、 「こいつは俺んやから、返してもらうで。」 裕希が掴んでいた和葉の腕を取り、引き寄せた。 しかも仕事中にも関わらず、後ろからしっかりと抱きしめたのである。 だがさらに裕希はそんなことお構いなしに、 「元々はオレんやったんやけどなぁ。そうやんなぁ和葉?」 とさらりと言ってのけたのだ。 「はぁ?」 「ちょ・・・ちょっと裕希っ!!」 和葉が止める間も無く続けてしまった。 「和葉の初めての彼氏はオレやし。初めての男もオレやもんなぁ。」 平次はずっと気になっていた”和葉の元彼”をやっと知ることが出来たのだ。 「なっ・・・・・・・!!!」 平次は絶句。 和葉は唖然。 その横では、同じ様に冬樹と春希も言い合いをしていた。 「華月!!そっ・・・その派手な格好は・・・・。」 冬樹が華月の腕を掴もうとすると、その間に春希が割って入った。 「あなたは華月さんの何ですか?」 「お前こそ誰だ?!オレは華月の夫だ!!」 「えっ・・・。もったいない・・・。」 春希は残念だと言わんばかりに落胆してみせた。 「あなたに華月さんはもったいないです。」 「そんなこと、お前に言われる筋合いは無い。」 「今日の華月さん素敵だと思いませんか?」 春希はいきなり、華月を振り返った。 華月の今日の姿とは、もちろんギリギリまでスリットの入ったチャイナドレス。 冬樹はこの姿を見て”派手”だと言ったのだ。 「あなたは彼女の魅力を分かってあげてないんやないですか?」 冬樹は無言。 華月は・・・。 盛り上がってるところ申訳ありませんが。 皆さんどなたか忘れてませんか? そう、さっき裕希を殺害しようとした山下美紀さんです。 「ママ~~~~!!華月ちゃ~~~ん!!遅なってごめんなさ~~~い!!」 あっ、話を元に戻してくれる人物がやっと登場みたいです。 |
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